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月刊「読んでみましたアジア本」

日本で出版されたアジア関連書籍の感想。時には映画などの書籍以外の表現方法を取り上げます。わたし自身の中華圏での経験も折り込んでご紹介。2018年までメルマガ「ぶんぶくちゃいな」(…
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2022年5月の記事一覧

【読んでみましたアジア本】SF本を開いたら、そこには「現実」が広がっていた/郝景芳(ハオ・ジンファン)『人之彼岸(ひとのひがん)』(ハヤカワ・SF・シリーズ)

【読んでみましたアジア本】SF本を開いたら、そこには「現実」が広がっていた/郝景芳(ハオ・ジンファン)『人之彼岸(ひとのひがん)』(ハヤカワ・SF・シリーズ)

2022年5月の最後にこれを書いている。上海はやっと明日6月1日から「通常化の生活」に向けて、9割のロックダウンが解除されるという。

中国が世界に誇る大都市上海でなんと2ヶ月間も続いた「完全ロックダウン」。わたしの知り合いが住む地域は3月初めからすでに団地封鎖が始まっていたので、すでに80日近く封鎖されたままだった。

それは日本の緊急事態宣言の比ではない。人々の外出を禁止すべく、団地に設けられ

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