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Evgeny Kissin 名古屋公演

14日は愛知県立芸術劇場で行われたエフゲニー・キーシンのリサイタルへ。キーシンの生演奏を聴くのは2018年以来なので3年振り。

キーシンは自身の子ども時代から好きだったピアニスト。ピアノを辞めてからはクラシック音楽そのものを断ち切っていたので聴くこともなくなっていたのだけれども再開と同時に再び聴くように。

キーシンの演奏に個別の作品や作曲家に期待されるこうあるべき的な解釈を良い意味で超えていて独自の世界を創り出しているように思えて好きだ。気が付いたら彼の描く楽曲の世界へ引き込まれている。その中を散策してすっかりと自身も迷い込んだ世界の一部と化したと思うと、現実に引き戻されあたかも現実だと思っていた世界が音楽の世界だったことに気づかされる。

初っ端のタウジヒ編のバッハのトッカータとフーガからアンコール4曲目のショパンのワルツ第12番が終わるまでのそれぞれの曲の世界へどっぷりと引き込まれ終わった後の余韻もすさまじいものが。

楽曲の世界はもちろんだけど、天才的な才能を持つ人ならではの悩みから長年二人三脚でやってきたカントール先生との思い出や思いも垣間見られる演奏であったように感じられ、大泣きしてしまいそうなのを堪えるのにも必死。

今回も聴いて良かったと思える公演。非常に気が早いのですが次回の公演が楽しみでなりません。

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