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授業終わりに泣きながら歩いた、私へ

大学1年生の冬。

入学式からずっと「大学を辞めよう」と思っていた私は、一時期寮に帰りたくなくて、授業が終わったらうつらうつらと暗い道を歩き回っていた。

歩き回るときには必ず、イヤホンを装着して、決まって聴くのは椎名林檎。

「それは人生 わたしの人生 

ああ だれのものでもない

奪われるもんか 私は自由」

音楽には明るくはない。だが、高音を発するときの、彼女の少し枯れた声が、私の廃れた心情を映しているようで、そこで必ず泣いてしまう。

「この人生は夢だらけ」

力強く、人生への希望を表されると「どん底の私にも夢があるのだろうか?」と不安になる。しかし同時に、「わたしの人生は夢だらけ、だから腐るな」と勇気づけられ、さらに涙があふれる。

私は、きっとなにか大成できるはず。だからここで腐るな。



大学を辞めようと思っていた私へ

現在、就職活動に悩んでいる私です。

大丈夫、わたしの人生は夢だらけです。

辞めようと思っていた大学で、素敵な友人たちに出会えて、君はもともと努力家だったから、成績も優秀です。

今はきっと、苦しくて、腐ってしまいそうで、周りが見えていない。そして自分はなんてかわいそうなんだ、と思っているでしょう。

かわいそうなんかじゃない。私は頑張ってきた。それを認めてくれている人は、たくさんいるんだ。だから、腐るべきではない。この苦しみがずっと続くわけではないから、きっと大丈夫だと、信じていてほしい。

わたしは自由だから、人生は夢だらけなんだ。だから、精いっぱいに、生きて。


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