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整くんと一緒に考えるジェンダーステレオタイプ

こんにちは!だんだんと肌寒い季節になってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?私は朝なかなか布団から抜け出せない毎日を送っています…。

そんな私は最近、田村由美さんの「ミステリと言う勿れ」という漫画にハマっています!この漫画では、主人公の久能整(くのうととのう)くんが色々な事件に巻き込まれてしまうのですが、その中で遭遇する些細な出来事や当たり前のように感じられている慣習などに、彼は敏感に気が付いて自身の考え方を語ります。

今回はそれらの中から、ジェンダーに関係しているエピソードについてお話しします!

女の幸せ

ある父親が娘に向かって「家にいて子育てや簡単な家事だけしてていいのは楽だろう」「それが女の幸せのはずだよ」というシーンがあるのですが、整くんはその娘さんに対して「”女の幸せ”とかに騙されちゃだめ」と言います。

”女の幸せ”という言葉はきっと女の人の口から出た言葉ではない。女は愛嬌、女の武器は涙、女の友情は脆い、男勝り、女の敵は女、などなど…。私たちが生きている社会に溢れているこのような言葉は、女性をある型にはめるために男性が編み出した呪文だと。

皆さんも、女性に限らず、女性は/男性はこうあるべきといったジェンダーステレオタイプを感じたことがあるのではないでしょうか。

女性はおしとやかであるべき?化粧をするべき?

男性は屈強であるべき?デートのランチ代を払うべき?

私は、こうした「べき」の思想がだんだんと脳に刷り込まれていくことで、次第に女性は/男性はこうであるに「違いない」、自分も「こうありたい」という理想の女性像、男性像が作り上げられて行くのだと思います。

そうなると、本当はこうありたい、自分はそういう風には思っていないというようなステレオタイプから逸脱した考え方は、その理想像が一般化した社会では受け入れられにくく、誰にとっても生き辛い社会になってしまうと思います。

以前、友人との会話の中で、就きたい職業があるから大学院に行きたいが、父親から大学院まで出ていると結婚する際に相手に敬遠されてしまうかもしれないと言われて悩んでいる、という話を聞きました。

そこには、女性は男性を立てるべきといったジェンダーステレオタイプが潜んでいるのではないでしょうか。

ジェンダーステレオタイプによって、自分のしたい生き方が制限されるのは、自分をずっと悩ませ、悔やませる結果につながるように感じます。

あのシーンを読んだ後、ジェンダーステレオタイプを少しでも低減させるために自分にできることは何だろうと考えました。

ジェンダーの縛りから解放されるために

整くんはいろいろなことに気が付きます。知り合いの刑事の男性から「育児に参加する」「手伝う」という言葉を聞いたとき、彼は、子どもを奥さんの附属物だと思っているからそのような言葉が出るのではないかと指摘します。子どもと関わることを父親の権利ではなく義務ととらえているのではないか、と。

整くんのように、何気ない言葉の表現の中に、育児は女性の仕事、男性は外で働く、といったステレオタイプが反映されていることを見出す視点を持つことは、とても難しいけれど大切だと思います。

ジェンダーステレオタイプが蔓延する社会で生きてきた私たちにとって、そのステレオタイプから逃れることは容易ではないでしょう。中立的な立場でものを考えようとしても、無意識的にその考え方にステレオタイプが影響しているかもしれません。

少しでもジェンダーの縛りから解放されるために、もしかしたらこの表現/考え方にはステレオタイプなものの見方が反映されているのかもしれない、と気付こうとすることから始めて、日常を見つめ直していこうと思います。

ちなみに!「ミステリと言う勿れ」は現在7巻まで刊行されていて、ストーリーもとても面白いので、興味がある方はこれからのこたつシーズンのお供にぜひ!⛄


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