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「腎臓病と言われました」それは本当に腎臓病??

そもそも腎臓病とは?

腎臓病はわんこたちに多い病気のひとつです。
老廃物(毒素)を排出させることが仕事ですが、老廃物が外に出なくなり、体全体の機能が低下しまう病気です。

腎臓機能が失われると回復することはないため、いかに現段階を維持させるかがポイントとなる病気です。

最終的に何で亡くなってしまったか、人間のようにいつでもレントゲンやCTを撮れるわけでもなく(老犬は全身麻酔で命を落とす危険性もある)せいぜいやれても血液検査です。
現在のわんこたちは長生きしていますので、腎臓機能が低下して患っていることが多いのはたしかです。(腎臓病が直接的な死因になっているかは不明のこともある)

そんな腎臓病ですが、指標となる血液検査は

・BUN(尿素窒素)
・Cre(クレアチニン)
・シスタチンC
・SDMA(対象性ジメチルアルギニン):糸球体ろ過量→GFRの指標

これらの項目があります。

BUNは要はろ過機能であり、目づまりを起こしてるとここの数値が悪くなってきます。

Creは老廃物の指標で、腎臓に何かしらの障害が起きていることを示しています。
BUN+Creどちらも悪い場合は、目詰まりを起こしてクレアチニンが排出されなくくなっている=腎臓に何かしらの異変が起きている、と考えられます。

しかし、どちらかが一方的に悪い場合、安易に腎臓病と判断するには時期尚早であることもあります。

例えばBUNだけ高い場合、脱水の可能性もあれば高たんぱく質食の影響もあります。
Creは筋トレをしているなど運動負荷がかかると上がりますので、日常的に運動量が多いわんこなんかは上がりやすい傾向にありますし、脱水すればそれだけ血液が濃縮されますのでより高値になることもあります。
逆に怖い点として、Creは腎機能が75%低下しないと高値にならないといわれています。それだけ進行しないとわからない=寿命を短くしてしまうこともあります。

そこでSDMAという2017年から新たな検査項目が測れるようになったのですが、腎機能25%低下で異常値を示すため、比較的早期発見に役立てられています。

血液検査以外に確定診断するために複合的な検査が必要になります。
その中には尿検査やエコー検査、血圧測定があり、わんこは人と違って自主的に行動を制限することはできないので(水分を積極的に摂るなど)1回の診断ではなかなか判断がつかないことが多い状態です。

例えば1度の検査結果から「腎臓病なので今日から療養食である腎臓のフードに変えましょう」と言われたとします。(ないと願いたいですが、費用負担もあって継続的に健診を受けられないわんこに対してはそう伝える場合もあるかもしれません)
その場合、確実に腎臓病であるといえるのか、今一度疑ってみてもよいと思います。
わんこは人よりも寿命が短いため、進行も早いです。がしかし、療養食(ここでは腎臓病食)を予防食として利用するには早い場合がある、ということを知ってほしいと思います。


わんこの世界では常識的な        「たんぱく質制限」・・だがしかし


腎臓に疾患があると判断された場合、わんこの世界では初期であっても後期であってもたんぱく質制限を推奨されます。
たんぱく質制限をすることは筋肉の元になるたんぱく質が少なくなるわけですから、それだけ活動量や疲労度にも影響してきます。
総合栄養食を食べていればまだバランスがとれているからよいものの、手作りしている場合はたんぱく質不足=肉を減らすなどするため、鉄分も減りますから貧血状態にもなります。=身体がだるくなり、動きたくなくなってもくるのです。
切り替えの時期を早めてしまうことでリスクも生じることがある、ということを知っておくことは大切です。


ネットの情報は誤情報が多い!


結論として、数字だったりよくわからないカタカナ検査項目などで先生に委ねることが多くあるとは思うのですが、食事に関しては市販フードや療養食を食べていたら間違いない!とされている獣医さんが多いのも事実です。

飼い主さまには本当にそれは正しいんだっけ?の知識を得ながら自身で判断する力も身につけてほしいな、と思います。
そのために我々のような食の専門家に相談することもひとつの選択肢として存在していることを知ってくださいね。
※正しい知識を単なる名無しのネット情報から収集するのも非常に危険で、誤情報がかなり多いです。誰が何を根拠として話しているかをきちんと理解しながら有用は情報を手にしましょう

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