見出し画像

腎臓の役割 〜尿が作られる仕組み〜

我々の体の中には体液(血液・組織液・リンパ液)があり、これらが酸素や有機物を届け二酸化炭素や老廃物を排出するなどの役割があります。そしてこの体液の状態を一定に保ち、安定した生命活動を維持する働きを恒常性(ホメオスタシス)と言います。

恒常性を維持するために重要な働きをしている臓器が腎臓肝臓です。今回は腎臓に的を絞って紹介していきます。

まず腎臓は腹部の背中側にある左右一対の臓器です。体に流れる血流の約20%が腎臓に流れています。そして流れてきた血液は糸球体と呼ばれる毛細血管が糸玉状になった場所でろ過されます。これは糸球体の毛細血管の壁に多数の小さな孔があいており、血液に高い圧力をかけるため穴の大きさよりも小さい物質はろ過されるのです。タンパク質などの大きい物質は血液中に残ります。水やグルコース・無機塩類(各種イオン)・老廃物はこし出されます。ろ過されたものを原尿といい、原尿は細尿管と呼ばれる菅を通り集合管と呼ばれる場所に運ばれます。この時、原尿中の水やグルコース・無機塩類など体に必要なものは細尿管を取り巻く毛細血管で再吸収されます。ちなみにグルコースは100%再吸収され、水と無機塩類は体液の状態に応じて調整的に再吸収されます。

尿素などの老廃物はほとんど吸収されずに集合管と通過して濃縮され、腎う、輸尿管を経て膀胱に集まり、最終的に尿として排出されます。

今回は体の水分量やナトリウムイオンなどの比較的小さな物質の濃度を調整する役割をもつ腎臓を紹介しました。次回の記事ではタンパク質や脂質・糖質といった比較的大きな物質の濃度を調節する肝臓について紹介します。

参考文献:嶋田正和ほか14名,「生物基礎」,数研出版,(2016).

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?