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お米のミルク

皆さんはお米のミルクを食べたことがあるでしょうか?

今回お米のミルクと言っているのは、白米のことです。なぜ白米がお米のミルクと言えるのでしょうか。そもそも、私たちが普段食べているのは稲の種子を加工したものです。元々硬い殻で守られている種子の殻を取り除き玄米にした後にぬかを削り、胚芽米にします。そこからさらに削って胚芽の部分も取り除き、胚乳と呼ばれる部分だけ取り出したものが、私たちが食べている白米なのです。

胚乳の主な成分は炭水化物で、種子は胚乳に蓄えられた炭水化物を呼吸によって分解して発芽のためのエネルギーを生み出しています。つまり、胚が植物の赤ちゃんで、胚が成長するための栄養となる胚乳は赤ちゃん(胚)のミルクのようなものなのです。

稲の胚乳の主な成分は炭水化物ですが、種子にタンパク質を含んでいる植物(大豆)や種子に脂質を含んでいる植物(トウモロコシ、ひまわり、なたね)もあります。タンパク質は窒素を含んでいるので痩せた土地でも育ちやすかったり、脂質はエネルギー量が大きいなどのメリットがあります。ただし、脂質などを蓄えるのには親植物に多くの負担がかかるというデメリットもあります。

参考文献:稲垣栄洋,「面白くて眠れなくなる植物学」,PHP研究所,(2016).

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