見出し画像

また行きたい場所 11

念願だった津和野.萩に行ってきました。

「念願」・・・、本州の西の端は下関までは何度か足を運びましたが、その北側には何故か行く機会がないまま。ここを訪れるとほぼ全国周ったことになり、いよいよこのGWで果たせました。

それぞれの仕事を持ち、家に帰って寝るだけの平日。週末や休みの日は遠出ドライブをしてきましたが、年を取るとそれも億劫に。ベッドでグダグタしていましたが、今日より明日はもっと年をとる・・・今行かねば・・・。新名神、中国道を通り、広島からは一路北へ。

うどん自販機 後藤商店

お昼近くに出発したことを後悔。
二人で真っ先に頭をよぎったのは、ちょっと前にTVで見たうどんの自販機。ここで食べたい!!!とにかく途中で食べるのをひたすら我慢し、目当ての後藤商店に到着。多くの人で賑わう中、店主?の男性と女性がゴミを片付けたり、商品を補充していました。そしてうどんを注文しようとしたら、お店の人が「今、壊れているから・・・」とまさかのお金手渡し、うどん手渡しでした!見れば年季物の機械・・・。
そういうこともありますよね。夫婦でうどんひとつと、おにぎりを買って分け合いました。その時すでに17時前。

毎回、旅をしながら思うのは「人間、食べられる回数は無限ではない」ということ。あれも食べたい、これも食べたい・・・なのにお腹には限界がある。なので、私たちは一つ注文して分け合うスタイルです。

この時点で、実は私、石見神楽を見たくて、見たくて・・・。道の駅のパンフレットには公演情報がたくさん。でもダンナは色々と計画があるらしく「それは帰りな」と。


津和野カトリック協会

津和野・・といえば小京都。
教会?と思われるかもしれませんね。
もともと隠れキリシタンに興味があり、長崎を旅行した際に、この山陰地方にも多くの信者が流されたことを知りました。すでに夕方で人通りも少なくなって物悲しい印象の町でしたが、この教会の姿を見ることができてここでも念願が叶いました。
普段は街歩きなどにつきあってくれないダンナですが、この日は人が少ないこともあり和菓子を買いながらブラブラと。1時間程度歩いて、車を停めていた駅前に到着。

さて、今日の宿を決めなければ・・・
ホテル?旅館?いいえ、車中泊なので温泉に入れて車も停められる道の駅を探すことに。候補は3つくらいありましたが、お腹も空いていたので近くの道の駅に決めました。すでに車中泊の車がたくさん駐車していて危うく停められないところでした。
本当は、この道の駅も紹介したいところですが、ここでは残念な印象があり名称は伏せておきます。残念なこと1つ目、レストランの男性従業員の接客態度、2つ目は温泉施設で大勢の女子高生が騒いでいて、くつろげなかったこと。思うようには行かないこともあります。

気持ちを切り替えて、車中でベットメイキングして早めに就寝。
翌朝は早く出発して、萩を目指しました。

萩駅

なんと、趣がある駅舎。西日本は良い駅舎が多いですね。
まだ早朝でお店は開いている様子がないため、コンビニで買ったおにぎりとダンナが入れてくれたドリップコヒーでまったり。駅前でお湯を沸かしコーヒーを入れるのは一瞬躊躇いましたが、何せ誰も人がいないのです。贅沢な時間が、マイカーの周りに漂いました。
コーヒーを飲み終えたころ、地元の女子高生と思われる人を乗せた軽ワゴン車が一台入ってきました。女子高生は荷台からおもむろに自転車を下ろしお父さんと思われる運転手に、じゃあと。
部活かな?私も土日は部活に大会・・・今は亡き父に送ってもらっていました。30年も前の自分と重なりました。

さあ、そろそろ観光地も開く頃です。萩城、反射炉、松下村塾、たたら製鉄遺跡・・・。反射炉マニアのダンナ、満足した様子。

世界遺産 萩反射炉

松下村塾と明倫学舎では幕末、明治維新の勢いを感じました。この地から海外へ行き、文明を持ち帰り近代日本に貢献した若者に思いを馳せ、今、東京で暮らす一人息子を思い写メを送りましたが、相変わらず返信なし。親の心・・・

松下村塾 語録碑

大板山たたら製鉄遺跡に着いた頃は、風が強くなってきて、天気が変わる予感がしました。ここでも、ダンナがコーヒーを丁寧に淹れてくれ、昨日津和野で買った和菓子といただきました。まったりしていたのは私だけで、ダンナは次の食事を考えてネット検索。
「本店で、資さんうどんが食べたい!」
私、下関でも福岡でも食べたことあったので心は弾みませんでしたが
「九州はそこまでだよ、その先は今回は無理だからね」と念を押し出発。関門海峡を行きは橋、帰りはトンネルと決めて向かいました。
橋の上では雨も降り出し、景色は今ひとつですが、幼い頃九州に住んだこともある私には懐かしい風景。

関門海峡大橋

しかし・・・うどんを食べるだけに九州上陸って。

資さんうどん 本店

美味しいなあ、とろろ昆布いいなあ。おはぎ好きのダンナにすすめたが今日は夜お酒とおつまみでまったりしたいらしく、うどんだけ食べて近くのスーパーで晩酌おかずを購入。私もお酒とおつまみの口になっていたので早く今日のお宿を決めたかった!なのに!
これから山口に戻ると言い出した。えええええー!これから向かったら深夜じゃん、それからベットメイキングなんて疲れるし、晩酌にならないじゃん!一度決めたら絶対に私の意見は聞かない。

案の定、道の駅に着いた時間は22時。雨風が強く車中泊の準備をするのも一苦労。やっと寝るスペースを確保した時には23時。「もう私食べないし飲まないからね」とできるだけ優しく言ったがダンナの不機嫌は伝わってくる。「どうすんだよ、この揚げ物」

ダンナはものすごく早起き。翌朝も風が強く、雨こそ降っていないが曇天。角島大橋・・・うーん、TVで見た感じと違うなあ。元乃隅神社に着く頃はまあまあの天気に。

元乃隅神社

ここに連れて来たかったから昨日無理してここまで来たのかもね。そう思えば立った腹もおさまるが・・・。25年以上夫婦やってても分かり合えないこともたくさんある。楽しくやっていきたいのにな。
今日は、楽しみにしていた神楽を観るから不満もこのへんにしておこう。

石見神楽

車から電話して「開演時間に間に合わないかもしれないけれど大丈夫か」と聞いたら怪訝そうな感じで「・・・ええ」と言われた。
始まってから入るんでは皆さんにご迷惑では?と思っていましたが、行ってみてわかりました。中ではお弁当食べたり、出たり入ったり、ものすごく自由な感じでした。
何よりも驚いたのは地元の小学生が演目に拍手喝采、立ち上がって演者を讃えている姿。これは何かのヒーローショー?
演目によっては演者が客席まで降りてきて、ナマハゲよろしく子供たちを追い回す。泣き喚く赤ちゃんにもお構いなし。その赤ちゃんを抱いている若いママも平然と、むしろニコニコ。カルチャーショックでした。文化芸術が暮らしに入っているんです。公演を堅苦しく考えていた私は感動しました。心が躍りました。こんな感じなんですね、石見神楽。
山陰最高!

なんかいいGWだったなあ・・。となるはずが、またガソリンスタンドあるなし問題、ダンナが目当ての食堂が閉まっていた問題で、また夫婦喧嘩勃発。今度は私が大蛇に化けました。
郷にいれば郷に従え。都会の尺度はとっぱらい、わからないことは地元の人に聞きましょう。食堂が閉まっていたらコンビニもやむなしです。

こんな思いしても、また出かけるんだろうな。次はどこかな。