タイパの先

　久しぶりに家でゆっくりできる土日がやってきた。起きたのは9時。いつも通りコーヒーを淹れて洗濯をして、ご飯を食べて。ちょっと昼寝をしてランニングをしてきた。これからスシローテイクアウトして爆食いをする予定で、ワクワクしている。

　休日はいっつもこんな感じ。だらだらするし、夜は映画を観る。スーパー銭湯でサウナに入って、半ばイキかけては家で酒を飲む。家族が増えてもこんな感じでいたいし、自炊はちゃんとして暮らしたい。

　最近、タイパ（タイムパフォーマンス）やコスパ（コストパフォーマンス）を追い求めて、動画を倍速視聴したりする若者が増えているらしい。そういえば後輩もTVerで各ドラマを倍速視聴していると言っていた。僕も若者のはしくれではあるけれど、倍速で観たいとは思わない。「観る」というより「見る」じゃない？

　タイパを求める理由は、友達の話題についていきたいから、ということがあるらしい。話題のドラマが山のようにある中で、みんな同じ時間が流れている。倍速視聴は必然なのかもしれないが、友人との話題のためにコンテンツを消費するって、もったいないなと僕は思う。まあその人たちの価値観だからいいんだけどさ。

　タイパの先には、タイパしか待っていないと思う。有限の時間の中で、タイムのパフォーマンスを上げるには3倍・4倍視聴ぐらいしか残されていない。それはもはや、人の声とか表情が認識できるレベルじゃない気もする。

　人生には限りがある。その時間を損しないようにコンテンツで埋めていくような人生は、作業ゲーな感じだ。人生は作業ではないし、それが無駄か有用かどうかって、実は今の時点ではわからないと思っている。場末のスナックで過ごす時間も、実はどこかで自分の糧になっているかもしれないし、なっていないかもしれない（なってなさそうだな）。

　だからこそ、自分の価値観の中で、今興味のあることはやればいいし、今やりたくないことはやらなければいい。誰かに合わせるためにタイパを求めることもきっと無駄ではないだろうけど、自分でその道を選択できているかどうかが、大事なんだろうな。

　はあ、早くスシロー食べたい。終わります。