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カナミック(3939)2023年9月期第2四半期決算の注目点

5月9日(火)カナミックネットワークのQ2の決算が発表されました。
カナミックホルダーとして私なりの注目点を書いてみたいと思います。

全ての事業が成長

カナミック事業、カナミックのユーザーに提供するプラットフォーム事業、アーバンフィットの健康寿命延伸事業の全事業が伸びています。

クラウド事業(カナミック)

23年9月期に大口顧客の受注が決定していると決算説明会資料に記載がありますが、大手介護事業者が介護システムを導入する際にベンダーの選択肢は数社しかありません。

大手企業は訪問看護、訪問介護、デイサービス、グループホームなど複数の事業を提供していいます。システムを導入する際に、訪問看護事業部ではA社のシステム、デイサービス事業部はS社のシステム…など事業別に異なるシステムを導入すると職員の異動や本社管理する際に業務が乱雑になります。

その点カナミックはフルラインアップなため、会社でどれだけ事業を展開していてもカナミックで対応できます。カナミックを利用していれば管理コストも削減できますし、働く人もカナミックを立ち上げて業務をすれば良いわけです。

それができるのはカナミックに加えてほのぼのを提供するNDソフトウェア(SONPOホールディングス傘下)、ワイズマンの3社くらいしか選択肢がない状況です。

小さい事業所を取り込むよりも大手事業所と契約すると一気に100事業所単位で導入が進むためシステムを作り上げるのは難しいですが一度作ってしまえば経営効率が良いです。

プラットフォーム事業

プラットフォーム事業はカナミックユーザーの法人に対する請求書の郵送代行やweb明細の発行などの付帯サービスです。Appleで言うところのiPhoneのAppStoreのようなものです。

これはカナミックユーザーが増えれば増えるほどユーザーの経営課題が見えてくる仕組みになっています。

例えば、

1社がweb明細を導入しようとしてもそれに必要なシステムを開発したり他の会社のweb明細システムを選定するのも介護ビジネス向きでなかったりと大変です。そこでカナミックがweb明細システムを開発し提供します。するとその1社だけでなくカナミックを利用している多くの事業所が「こんなのあるならうちも使いたい」となるわけです。

介護事業所は似たような問題を抱えているからです。

健康寿命延伸事業(アーバンフィット)

次に最近買収したジムですが元来は利益率の良いビジネスですが、出店加速期は新規出店による店舗開発費(内装、マシーンの導入)などがあるため利益貢献はしません。

今は2030年までに100店舗(2023年5月で16店)を目指す過程です。

ただ、アーバンフィットはフランチャイズモデルも採用しています。本社運営のジムである程度の経営指標が見え収益が出るビジネスだとわかればフランチャイズとして出店したい企業が出てきます。

その際は出店に関わるコストはアーバンフィット社ではなく加盟企業側が負担することになるため売上規模は低くなりますが一気にアセットライトの高収益モデルになると予想されます。

カナミックの売上規模は成長が限定的ですから5年10年先を見据えて第2の収益源を育てていこうとするのは素晴らしい経営判断ですね。

M&A

M&Aも視野に入れて成長をしていく考えを示しています。
成長にはM&Aは欠かせません。

ただデータ取得のためのリアル店舗も視野に入れております。と記載がありますがM&Aをする企業が多く過ちをしやすい考えです。

店舗は本気で運営しないと顧客がついてきません。データ取得のために運営されているリアル店舗で働きたい人も行きたいお客様もいません。
データ取得が目的だから収益がとんとんでもいいという甘い考えがM&Aの失敗の元になります。結果データも大して集まらないんです。

やるなら本気で店舗運営をしている企業を買収するのが良いでしょう。Amazonのホールフーズマーケットのように人々を魅了する店舗を展開している企業で十分コントロール可能な規模で買収するのが良いでしょう。

株主優待拡充

株主優待にアーバンフィットの体験チケット(5940円相当)がつきました。
実に筋の良い優待です。コストもかかりませんし、ジムを知ってもらうきっかけにもなります。店舗が増えれば株主メリットも大きいです。

まとめ

今回の決算で感じたことは盤石です。
既存事業の安定、カナミックのプラットフォームを活用した顧客企業の課題解決、成長投資など打てる手をしっかり打ち、組織運営もしっかりされていると感じました。

社長の経験もストック型に伸びていきます。
まだ40代で創業社長並みの力を持ち、経営者としての凄みが増してきます。社長の年齢も考えると数十年はホールドで良いのではないかと感じます。


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