呼吸がしやすいところで生きる

タイトルからわかりにくくて申し訳ございません。退職から転職までの話をぽつりとさせてください。

コロナが睨みを効かせ始めた2020年の3月に、私は大学院を無事卒業しました。実は就活が納得いくようにいかず、当時一番行きたかった所にはまさかの最終面接で落とされてしまいました。泣く泣く次点の場所で社会人生活を始めようとしたものの、緊急事態宣言で二ヶ月足止めを食らうと言う、八方塞がりな時期でした。

いざ入ってみたものの、もちろん良い方も居ましたが全体的に伝統的な会社文化の残る環境に、一ヶ月もしないうちに転職を決意したのでした。この時に感じていた感覚が、「呼吸がしづらい」と言うもので、もちろん夏場のマスクのせいで言葉通り呼吸はしにくかったのですが。本当に仕事をしながらゆっくり息つく事もできないほど目まぐるしい環境と、意見を言ってもそれとなくたしなめられているうちにみずから口をつぐむようになっていたのかもしれません。

元々感情豊かな質ですが、日に日に目から光が消えてく様子に久々に会う友人やパートナーに心配をかけてしまいました。気がつくと涙が溢れ、何のために生きているのかよくわからず、いつしか食欲がめっきり消えてしまった事もありました。

結果的に7月から始めた転職活動が11月にカタがつき、今年の1月から新しい職場で働いております。国際協力は有期雇用が多いこともあり、新人がいきなり経験も少なく飛び出して良いのか迷いましたが、学生時代にお世話になった団体で途上国の子どもの教育開発事業に関わる運びとなりました。働き始めて一ヶ月してみて、ふと自分がゆっくり呼吸しながら生きている状況にはっとしたのです。

つぐまなければいけなかった口が、周りと時折笑いを挟みながら意見を交わしていることを。オンラインで友人やパートナーと話す時に、ポジティブな事を話して大爆笑できていることを。時間が増えたこともあり自炊を始め、自分で作ったお弁当が母の味にそっくりになっていたことを。

転職してよかった。助かったな、と思いました。

私の場合は入社して一年未満で転職してしまったのですが、とりあえず3年とか言わなくても辛かったら外に飛び出して良いと思います。働きながら転職をゴリ押しましたが、休職・退職してから模索するのもその方によってで良いのではないかと思います。世の中では早期転職は若者のわがままだとか忍耐力が足りないなどとまだ言われておりますが、それをきっかけに自分の部下や子どもが命を落としたとしたら、暴言を吐いていた人はどう落とし前を取れると言うのでしょうか。言う前に一言考えなさいよ、と一言たしなめられるくらいにはこの一件で図太くなれた気がします。

休みながらでもいいです、生きてさえいればやりたいことをゆっくり考える時間はちゃんと残ってます。落としてしまった命は帰りませんし、誰かが悲しむとかを抜きにしても、何よりその決断をした自分があの世で苦しむことになるのではないでしょうか。

読んだ方が少しでも、自分の道を修正するきっかけになりますように。このご時世、自分の行きたいところを考えて進むのは全く悪くないことです。人のタイミングに口を出すような存在はほっといて、いまだ!と思う時に飛び出していきたいものですね。


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