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やっぱ未来には空飛ぶ車が必要だよね。最近のeVTOL事情をミーハーにみていく。

■ 魅惑のeVTOLの世界

未来には欠かせないものがある。

多くの人が情報端末を手に持つようになり、ネットワークで様々な情報が飛び交うようになった。AI技術も進歩し、ぼくらの世界は幾分「未来」に近づいたように思う。しかし、まだ子どものころに想像したような未来には届いていない。

なぜなら、未来に至る必須アイテムがまだだからだ。それはエアカー、つまり空飛ぶ車である。

昨今、空飛ぶ車候補として注目されているのがeVTOL(イー・ブイトール)だ。eVTOLとは電動式のVTOL機。VTOL機は垂直方向に離着陸できる航空機のことを言う。

VTOL機は、翼やエンジンの角度を変えたりする飛行機みたいなやつで、結構昔から色んなタイプが開発されている。ハリアーとかもそうだし、オスプレイもVTOLに含まれるだろう。しかし、そういうやつらはあからさまに空飛ぶ車とは異なるもので要するに飛行機である。過去のVTOL機は、なんしか飛行場でなくても離陸できる航空機、といったものを意味していた。

最近のeVTOLは、ほぼほぼデカいドローンみたいなものを指すと思っていい。ドローンというのも、昔は無人機の事を主に言っていたような印象があるが、最近は有人ドローンなる言葉もあるようなので、なんとなくそれっぽいものをイメージしておけばよいだろう。要するに、人が載れるような小型のマルチコプター、それが現在最も空飛ぶ車に近そうなもののひとつである。

最近、そういった魅惑のeVTOLのニュースをちょいちょい見かけるので、今日は色々なeVTOLを見ていきたい。

■ ALIテクノロジーズ エックストゥーリッスモ

これは、空飛ぶ車というよりかは、ホバーバイクなのだろう。東京のALIテクノロジーズという会社が開発した。どうやら山梨県と協定を結んで、実証実験を行うらしい。

これは、なかなかスタイリッシュで未来感があってよい。お値段は7,700万円。同クラスの車で言うと、ロールス・ロイスの高いやつぐらいの値段になる。ロールスロイスが買えるぐらいのお金持ちであれば、ホバーバイクで遊べるような場所も確保できるだろうから、買ってみるのもアリかもしれない。

スペック表によると、重量は300kgと重いが、30~40分の航行ができるようだ。ただ、一部内燃機関を使っているようなので、その点はやや未来ポイントを減じておく必要があるだろう。エンジンついてるとやっぱ重いよな。

■ Jetson One

こちらは、スウェーデンのスタートアップ、Jetsonが発表した一人乗りのeVTOLである。既に市販バージョンの2022年予定数12機が完売しているらしい。

これもなかなか未来ポイントが高くて良い。なにより、9万2000ドル(1,000万円ぐらい)で買えるという安さがたまらない。これは、量産できたら下手したら自動車ぐらいの値段で売られるのでは。

現時点での弱点は、20分ぐらいしか飛べないというところだ。まあこれは、他の完全バッテリータイプのeVTOLにも言えることではあるので、今の段階ではそれほど大きな問題ではないのかも知れない。今のところ渋滞とかないだろうし、地面を走るものよりかは20分でもわりと遠くまでいけそうな気もしなくもない。

個人的に気に入っているのは、インパネがなくて、なんと計器類はスマフォという思い切りのいいところだ。飛べばいいだろ、飛べば、的な潔さを感じる。

取り敢えず、キャリフォルニアの人達が喜んでご購入しているようだ。ええのう。広いところは。

■ CycloTech technology

車感、未来感において、今のところ頭一つ抜けているのが、オーストリアのサイクロテックテクノロジーだ。これは何と、ドラムというかホイールというか、なんかそういう感じの不思議な羽を回転させて浮上するところが大変イカしている。今一つなんでこれが飛ぶのかよくわからない。やはり、ナゾテクで飛ぶというのは未来を感じる上では相当な加点が見込めるポイントになるだろう。

どうやら、この回転する筒の中に角度が変えられる羽のようなものが入っていて、それをうまいこと制御したら飛ぶようだ。動画をみても、つまりどういうこと?といった感じである。

早く人を乗せているところを見てみたい。

■ スカイドライブ

少し前に話題になったのがスカイドライブだ。雰囲気としては、スウェーデンのやつとかに似ている気がする。コンセプトモデルは流線形のデザインでなかなか未来っぽい。

コイツもバッテリータイプで、航続時間は20分~30分程度。現時点で、ボディがしっかりしてそう、というのは自分の中で賛否両論がある。もっと潔く軽量化して、安く提供するのもアリなんじゃないかと思うが。

最大離陸重量は500kgとなかなか野心的である。なんか割と真面目にこういう乗り物とはどうあるべきかみたいなことを考えてそうな気配を感じる。個人的には、もっと削りに削った、取り敢えず飛ぶぞオラ、みたいなプロダクトが好みではあるが。

いいんじゃないか。うん、なかなかいいんじゃないだろうか。

■ Honda eVTOL

一方、我が国の自動車メーカーはというと。

なんとなくボディの形とかは多少未来っぽいが、全体としてこれは・・・ローターが沢山ついたホンダジェットなのではという。

まあ確かに、実際じゃあ、こういうものを社会の中で飛ばして実用化していきましょうね、となると、こういう風になってしまうような気もしなくもない。しかし、これは、わりと今までの飛ぶものの延長線上にあるというか、まあ、未来っぽさが少々不足しているように思う。

良くも悪くも現実を見てんだなという感じ。もっと突き抜けたものも見てみたいところである。

■ ボロコプター VoloCity

あまり日本では流行らなさそうな名前であるが、わりあい世界的に見ても進んでそうにみえるのが、ドイツのボロコプター社である。

まあ、スタイリッシュだし、多少未来な感じはする。電動だし。ただ・・・これは・・・、ほとんどヘリなのでは。

未来感が少し足りない事と引き換えというわけではないが、結構昔から飛ばしていて、わりと実績があるところは悪くない。こういう現実的なラインを攻めてくるところが、ドイツなのかもしれない。まあ奇をてらえばいいというものではないのも確かではある。

■ テトラアビエーション Commercial Model:Mk-5

eVTOL界の異形。なんかこう、ごちゃっと色々ついてるやつって、絶対に主人公機ではないよねという。

これは評価が非常に難しいところだ。敢えて言えば、遠くから見た感じがわりと飛行機っぽいところはマイナスポイントだろう。開発は、東京のテトラアビエーション株式会社。おそらく、羽がついている事によって、空中でトラブルが起きても、グライダー的になんとかなるとかそういう話なんじゃないかと想像している。ちなみに、これは注文を受け付けているようだ。

Mk-5の微妙な異形感も捨てがたいところはあるが、テトラはMk-3という非常に未来っぽいデザインの機体も開発している。

これはアリ。これはアリだよ。取り敢えずドローンデカくしちゃいました、みたいな感じがとてもいい。

■ Vertical Aerospace VA-X4

最後に、JALが大阪万博向けて契約したというVA-X4だが。

いや、これは普通に飛行機なのでは。特に実験機が飛んでいる動画も見つからず、どうしてこれが世界の主要航空会社の契約に至っているのかは今一つわからない。強いて言えば、飛行機っぽくて話が通りやすいから?

時速320キロ、航続距離160キロと言われると結構飛びそうな感じはあるが、結局30分しか飛べないという話であるようにも思う。

せっかく万博で飛ばすなら、もう少し未来ポイントの高いものでお願いしたいところ。これを空飛ぶ車というのは・・・少し違うかなあ。

■ 以上、色々とみてきたが

総じていうと、大変楽しみな分野である。ドローンが飛ぶとか、荷物を運ぶとか、そういうことはこの際どうでもいい。人が乗って飛ぶというワクワク感はやはり格別である。

乗り物がちょっと空を飛ぶというのは、道路があまりちゃんと整備されていない地域とかでは、結構デカい事なのではないかと思う。なんでもいき届いた都市部とかで、敢えて何かを空中で輸送するというのは、落っことした時の事とかも考えると、少々厳しい面があるが、あんまり人がいないようなところであれば、バンバン飛ばしてしまう方向で良いような気がする。

EVでもそうだが、電池、モーターといった、この手の次世代モビリティに欠かせない部品についても、今後性能向上が競われることになりそうだ。それに伴って、そういったモーターを効率よく高性能に制作するために、加工機械に求められる能力もまた変わってくる。エア・カーはそういった意味でも未来を運んでくるのかも知れない。

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