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君はアーマード・コア6で執行部隊を殲滅したか

皆さん、体が闘争を求めてますか?

2023年8月25日に10年ぶりのアーマード・コアシリーズの新作として、アーマード・コア6が発売されました。今回の戦場は、辺境の開発惑星ルビコン。かつて、コーラルと呼ばれる新資源により発展したが、「アイビスの火」なる災害で荒廃。しかし、現在もコーラルが残存していることがわかり、いくつかの企業がコーラルを得んと戦力を投入。主人公である強化人間C4-621は、ナゾめいた“ハンドラー”ウォルターに導かれるまま、コーラルをめぐる争いに関わることとなります。ストーリーの話はしませんが、登場人物たちが魅力的で結構いいです。

ジャンルはいわゆるロボゲー、つまりロボットをカスタムして戦うアクションゲームになります。ロボゲーと言えば、古の作品は、複雑な操作系でロボットを操るまでに相当な修練を要したりするものでしたが、見事にモダンな作りとなっていて、比較的直感的にロボット(本作ではACという)を操ることが可能となっており、昨今のFPS、TPSゲームに慣れていれば、操作に戸惑うということはなさそうです。

「デスルンバ」ことスマートクリーナー

ゲームのポイントとしては、単純なアクションのうまさや、敵の行動を観察し、適切な行動を選択していく判断力等も当然ありますが、ミッションの内容や敵に応じた機体の構成(アセンブルという)を考えていくことも重要となっています。ロボゲーにとって、機体のカスタム要素はやはり欠かせません。多彩なパーツを組み合わせて、自分なりのACで攻略していく事も楽しみの一つです。また、本作は、機体のカラーリング、エンブレム、各種デカール的なものを作りこむことも可能となっており、ヴィジュアル面でのカスタムも堪能できるようになっています。

バトルシステムにおいては、本作より導入された「衝撃値ゲージ」がポイントになります。敵に攻撃を加え続けると「衝撃値」が蓄積していき、ゲージがいっぱいになると、「スタッガー」つまりダウン状態となるものです。「スタッガー」中は無防備となり、大きなダメージを与えることが可能です。武装には単純な火力の他に衝撃力なるパラメーターが設定されており、いかに「スタッガー」させるかと、いかに「スタッガー」中にダメージを稼ぐか、という2つの要素をミックスしてアセンブルを考える必要があります。(とはいえ、強武器と呼ばざるを得ないあらゆるシーンに組み込めるものはあるのですが)

戦闘においては、構成にもよりますが、基本的に「スタッガー」をねらいに行くためにある程度リスクを取ることが重要です。実際にガンガン押していくことで結果が得られるケースは多く、リスクを恐れず踏み込むことでリターンが得られるといったデザインを意図しているのではないかと思います。手触りとしては、同じフロムソフトウェア作品では「死闘感」をテーマにしているブラッドボーンに近いような感触かなと思います。

自分は過去作をあまり良く知らないのですが、本作のアクションは一定程度難易度が高いものとなっているそうです。確かに、チュートリアルのボスである「最初のヘリ」が倒せなさ過ぎてSNSでトレンド入りしたり、いまだにエンディングに到達したと思われるプレイヤーの割合が3割ぐらいと推測されるといった、高難易度ゲーっぽい雰囲気は漂っていますが、一応全クリしてみた感想としては、まあほどほどに難易度は調整されている、と思いました。

チュートリアルボスにしては強い「最初のヘリ」

特に、ボス戦の前にチェックポイントが設けられており、アセンブルの再考も含めてトライ&エラーが簡単になっている点は、高難易度ゲーとしてもモダンな仕様という感じで、ボスで死ぬと道中をもう一回突破しなければならない、みたいな心を折りに来る要素は控えめとなっています。そもそも、道中はわりと簡単です。また、ネットで攻略情報が容易に得られる昨今では、「強アセン」的なものをトレースすれば、さほど無理なく進められるようになっていると思います。

さて、そんな比較的親切と言ってもよいAC6ですが、いくつか難しくて詰まりがちな箇所が存在します。凶悪なボスで詰まる、とかはおおかた想像の範疇ですが、なんてことはない中ボスぐらいの敵しか出てこないのに「詰まる」ミッションがあります。その一つが「執行部隊殲滅」と呼ばれるミッションで、自分のお気に入りです。

「執行部隊殲滅」の良い(?)ところは、「難しい場面の前にチェックポイントを設けておくので、そこでよく考えてトライしてみてくださいね」という本作の基本的なステージのデザインが、全然当てはまっていないところです。本ミッションにはチェックポイントは存在せず、失敗するとステージ開始からやり直す必要があります。通常、そのようなミッションではボスがいないとか、いてもそんなに強くないようになっているのですが、「執行部隊殲滅」には、扱いこそ中ボスであるものの、妙に強い新型機みたいなやつが最後に待ち受けています。しかも、ボス戦のフィールドは細長い形状となっており、行動が制限されるために非常に戦いづらく、地形もあいまってやっかいなボス戦となっています。

執行部隊殲滅のボス「HC型執行機」通称「盾持ち」

それだけであれば、ボス戦に特化した構成で挑めば良いわけですが、もう一つ話をややこしくしている要素が、収集要素である「戦闘ログ」の収集です。「戦闘ログ」は、ステージによって探索したり、強敵を倒したりして取得するものですが、「執行部隊殲滅」ミッションは、高速で動き回る軽量タンクを撃破して回収するもの、つまり後者となっています。

これがチェックポイント(補給も含む)が無いというステージの性質と相俟ると、2体の全然タイプが異なる敵に安定して対応でき、かつ弾切れ等を起こさない構成でないと、「戦闘ログ」を取得した上でのクリアは難しい、という問題が生じます。どうしようもない敵に対しては、高耐久のタンク型ACを投入し、遠距離から火力で対処するという方法が通常は使えるのですが、いかんせん、弾があまり当たらない高機動型の敵が含まれていることから、弾切れという問題が発生しがちです。ラストの敵も終始盾を構えていて、なかなか攻撃が通らない、という点が、この問題に拍車をかけるかっこうとなっています。

かくして、悪名高い高難易度ミッションが誕生してしまった、というわけです。

しかし、ここにやりがいがあるとも言えます。このミッションを攻略することによって、AC6のシステムやゲームの特徴について相当理解が深まったように思います。他のステージとこのステージの難易度の差が何から来るのか、いろんな状況に対応できるアセンブルをどういう考えで作っていくべきなのか…etc。いったいそれがなんの役に立つのかと言われると何も言えませんが…

というわけで、ここんとこ暇さえあれば執行部隊を殲滅していたわけですが、その結果の一部をご覧ください。
戦闘ログを取得しつつ、迅速にクリアしてSランクを取っている動画は結構珍しいものになると思います。


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