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読書感想文とか本の話とか

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今までに書いた本やマンガの感想文とか、そういうものにまつわる与太話を集めました。
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#読書感想文

『成瀬は天下を取りにいく』は手始めに2024年本屋大賞を取った(感想文)

※後半では多少中身に触れるのでネタばれがあります。 ・成瀬は大賞を取った2024年『本屋大賞…

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2024年第1クウォーターの読書録

決して(断じて)暇ではなかったのだけど、24冊は悪くないペースであったように思う。理由は定…

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儀式は我々に何をもたらすのか『RITUAL(リチュアル)ーー人類を幸福に導く「最古の科…

面白い本だと思うんだけど、あんまり話題になっていない。人類学地味ですか?そうですか… ・…

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【読書】口の立つやつが勝つってことでいいのか(頭木弘樹)

『絶望名人カフカの人生論』で知られる頭木弘樹氏のエッセイ集。 頭木氏の著作を読むのは始め…

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(読書)『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち』(吉川徹)

先日、「スーパーマリオ オデッセイ」をプレイすることが、うつ病の症状の改善に効果を示した…

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マルクス・ガブリエル『アートの力:美的実在論』をミーハーに読む

芸術、アートとは何なのか。ほとんどの人は、その問い自体にはあまり興味がないだろう。昨今、…

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文字が人類に与えた影響、W.J.オング『声の文化と文字の文化』、メアリアン・ウルフ『プルーストとイカ~読書は脳をどのように変えるのか?』

■ 『声の文化と文字の文化』を読んで文字の文化を相対化する文字が人類または近代的な知にとって重要な発明であったことは、誰もが認めるところであろう。ただ、今日では文字や書物の存在を前提とした社会や知性というものは、あまりにも当たり前になってしまい、それを相対化して捉えることは難しくなっている。 文字が発明されてから、社会・人々はどのように変化したのだろうか。『声の文化と文字の文化』は、声の文化(オラリティ)と文字の文化(リテラシー)の違いに着目し、その謎を探求する1982年の

新年なので意識高めに意識の話をする-『新インナーゲーム』『あなたの知らない脳 意…

■ イントロ ― ビル・ゲイツ氏のオールタイムフェイバリット5冊世の中にしばしば良書を紹…

『プロジェクト・ヘイル・メアリー』-ぼくらは科学を、人間と友と、そしてユーモアを…

プロジェクト・ヘイル・メアリーは、ゆるやかに滅びに向かう太陽系を救う旅のお話だ。物語は、…

ゲームは我々にとってなんであり、我々はゲームとどう関係するのか『ゲーム思考 コン…

ファミコン世代のゲーマーであれば、一度くらいは仲間と話したことがあるだろう。 「ゲームは…

坂口安吾『夜長姫と耳男』(1952)を久しぶりに読んだがやっぱり傑作だ

いくつか、昔読んだ作品を読み返してみようと最近思っている。短編小説はそんな試みを始めるの…

書籍『メタバース進化論』は想像力を刺激する良書だ

メタバースが話題になるようになって結構立つが、日常生活の場面でその言葉を聞くことは少ない…

こんな世の中だからブルガーコフを読もう-『犬の心臓・運命の卵』【ロシア語文学】

ミハイル・ブルガーコフ『犬の心臓・運命の卵』新潮文庫版ミハイル・ブルガーコフは、1981年、…

『スノウ・クラッシュ』を読んで世界をアップデートすることについて考える

■ 伝説の予言の書みたいになってた『スノウ・クラッシュ』の新版が出たぞメタヴァース等の言葉を生み出し、シリコンバレーの起業家たちの間で熱心に読まれたと評判の『スノウ・クラッシュ』が先日復刊した。 今を遡る事30年前、1992年の小説『スノウ・クラッシュ』は、よくわからない「高速ピザ配達」の話から始まる。 舞台は、近未来の「マフィアの牛耳るピザの高速配達と、音楽と映画とソフトウエア<マイクロコード>作りしか無い国、アメリカ。」 アメリカは凋落し、連邦政府は、今やなにをやっ