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スマホなんて無い時代に生まれたかったよ 【手放して半年経過】

Youtube(最近はめっきり更新していないが)をご覧の方はご存知だろうが、今年は色々あってカナダのバンクーバーで過ごしている。大麻とホームレスが蔓延るゲロ臭い街だが、生活概ね良好だ。

まえがき

今年の3月くらいにiPad mini6を買った。
最初は授業ノートと落書き帳として使っていたものの、段々と

「もうなんか、これだけでいいんじゃねぇかな。」

と思って、日本から持ってきたpixel5aと万が一の予備として持ってきたoppo reno A の電源を落とした。
最近は休日に所持品ゼロで適当に決めた目的地まで散歩すると言った遊び方をしている。
意外と心地よかったのでかれこれ半年くらいこの生活だ。

高校の友達の寒い内輪ネタストーリー、顔も知らない人間の愚痴ツイート、写真を撮るために食べるスイーツ、特に目的のないほぼ無音の長電話。
そんな隣町の市長選挙よりどうでもいい物に我々は日々囲まれている。(たまに取り囲んでいたりする)


昨今、一部の意識高い界隈では「デジタルデトックス」とか言うインターネットと一定の距離を置くのがイケているスタイルらしい。

奇しくも現在の筆者の状態はそれに当たらずと雖も遠からずなので、
この期に色々書いておこうと思う。

本編

最初に筆者のデジタル環境をまとめておく

  • 使っているのはiPad mini6(セルラーモデル) と学校のデスクトップ(Linux)

  • 平日はipadを学校に放置する(家でネットサーフィンすると朝になることがあるので)

  • 連絡手段はline gmail discord LinkedIn 

  • 最近思い切って個人的なTwitterとInstagramのアカウントを消した。


結論としては、
「恐らくクソ不便だが精神的に良いので全員一週間だけでもやるべき」


と言うのも、実際に今手にしている光る板を手放してみないと気づかないこと、と言うよりは思い出せないことが沢山あるのだ。

自分の中で一番強烈だったのは、「音が無い」ということ。
現代人はいつだって耳からうどんと音楽を垂れ流しながら運動し、通勤し、労働して就寝する。

筆者だってそう。
いつからだかわからないけれど、音楽なしで筋トレなんてて考えられないし、いつのまにかゆっくり解説動画をききながらじゃ無いと寝れなくなっていた。小学生の時は毎日9時にはぐっすりだったのに。

初めて学校にiPadを置いて帰った日の夜、ベットに横たわったはいいものの、音のない不安と「寝るのに暇」というよくわからないグチャグチャの感情でどうにもならず、パジャマのままサンダル突っかけてランニングに繰り出したりしている。

結果として、「近所の公園、昼間もいいけれど夜は湖に星空が反射して最高」と言う発見をしたのでヨシ。最近は睡眠の質も向上した気がする。
ともかく、静寂がこんなに五月蝿いものとは知らなかった。



この生活を始めてから街中の人々が首を下に傾けながら生活しているのがとても異常に見えるようになった。
それは久しぶりに会った友人が食事中にチラチラメッセージを確認している時だったり、公園で子供を遊ばせている父親がベンチでうずくまりっぱなし時だったり、観光地で全員が同じ構図の画面を覗いている時だったりする。

恐ろしいのは自分自身も少し前までそうだったということだ。
社会全体が狂ってるとさえ思えてくる。

連絡なんて朝晩2回返せば十分だし、お前が頑張って周回してるソシャゲは5年したらインフレクソゲー化かサ終するし、大好きなYouTuberの毎日更新動画は一本の名作映画に太刀打ちできない。
SNSを消して連絡が途絶える人間は別に人生において重要ではないし、さっきネットサーフィンしてた内容は先週も調べてる。
突然の連絡に気が付けなくてチャンスを逃すかもしれないが、光る板に注いだ時間と金で逃した魚はもっとデカい。


とはいえ、世の中スマホを持っていることが前提で出来ている。便利すぎるからね。続いてはそれにまつわるデジタルデトックスのデメリットの話。




現代社会は人々に「スマホを手放す」という選択肢を与えない。
実際スマホなしで生活するのは無理だ。筆者もたまに発生するスマホ必須イベントの為、学校の友人のロッカーにスマホを封印している。
レストラン(特にバンクーバー)ではQRで読み込むメニューが標準的だし、銀行口座開設やAmazonのログインには電話番号が必要だし、
大家はSMSで家賃を請求してくるし、
InstagramやFacebookでしか得られない企画や情報は山ほどある。

かつては電車で新聞紙を広げていたサラリーマンも今では絶滅危惧種だ。たった10年程度でこの世界の風景は良くも悪くもすっかり変わってしまった。あの新型スマホが出る度に、未来がやってくるぞというワクワクした感覚はどこへ行ってしまったのか。2022年の我々は完全に電脳世界と距離を置いて健康で文化的な最低限度の生活を送ることはできない。テクノロジーと程よい距離感を保つ必要がある。ただ、個人的にそれは無理だ。
いつでもビュッフェにありつける環境で体型維持ができるものか。

多分これからも僕はLINEを気にしながら話す知り合いと飯を食うし、「お前既読遅すぎ」って言われるし、流行りに疎いオールドスクールな人間として認知されるのだろう。だって異常なのはこちら側なのだから。
できることなら、スマホなんて無い時代に生まれたかったよ。




おしまい


最近はiPadですら手放したくなってきています。
SMS認証の出来るノートパソコンみたいなの、無いですかね?
デジタルデトックスでできた時間にデジタルデトックスについて考える虚無のサイクルにハマりかけていたりいなかったり。


ではでは、素敵な情報社会生活を‼︎





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