'Round Midnight in the Hospital.

妻に付き添って訪れた深夜の病院。そこは意外にも、いや予想通りの、にぎやかなWonderland。
酔って転倒して頭を打ち、氷水の入ったビニール袋を額に当てながらやってきた青年。一見して堅気でなないと分かる(鮮やかな腕模様の)男と寄り添う女。ちょっとしたことで大騒ぎする(勝ってな想像)老女とその娘と思われる不機嫌な主婦。心配性な両親に連れられてきた不満げな男の子。

妄想を膨らませながら、時は過ぎていく。

その間にも、救急車から運びこまれる担架。しばしばドラマの題材にもなる、苛酷な職業の人達の眼光は一様に鋭く、それでいて優しい。素人ならば目を背けるような場面を見続けてきた証だろうか。

さて、いつまで待つことになるのやら、と思ったところで現れた連れの表情がいくぶん良くなったことに安堵しつつ、帰宅の途に。

ほんの少し夜明けの香り。

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