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#347 フードロスを減らす工夫

僕たちが日常的に食べている食品の多くは、残念ながら無駄になってしまうことがあります。農林水産省及び環境省の推計によれば、日本では年間約472万トンの食品が廃棄されています(出典:農林水産省および環境省データ2022)。この膨大な量の食品ロスは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた食料支援量(2022年で年間480万トン)とほぼ同等に相当します。

では、この472万トンという量がどれほどのものか、具体例を挙げて説明していきます。

日本人1人当たり年間約39kgの食品ロス
日本の人口を約1億2000万人と仮定します。472万トンをこの人口で割ると、一人当たり年間約39kgの食品を無駄にしている計算になります。これは、一人が毎年約39kg、つまりお米の5kg袋を約8袋分捨てていることになります。

お茶碗1杯分の食品が毎日捨てられる
472万トンを365日で割ると、約12,932トンとなります。これを人口で割ると、日本人一人当たり、毎日約103gの食品が捨てられていることになります。これは、お茶碗1杯分のご飯の量に相当します。

東京ドーム約3.8杯分の量
東京ドームの容積は約124万立方メートルとされています。仮に1立方メートルの食品が1トンとすると、472万トンは東京ドーム約3.8杯分に相当します。これは、東京ドーム3.8つ分のスペースが食品廃棄物で満たされるイメージです。

このように、食品ロスの量を具体的に考えると、その影響の大きさがより理解できると思います。食品ロスを削減することで、食料の有効活用が促進され、食料生産にかかるコストやエネルギーの無駄を減らすことができます。また、廃棄物の処理にかかる環境負荷も軽減されます。さらに、食品ロスを減らすことで、食料不足に苦しむ人々への支援が可能となります。

日本での食品ロスの約半分は家庭から出ています。大切な資源の有効活用や環境負荷への配慮から、家庭での食品ロスを減らすことが特に重要です。
#フードロス

家庭でできるフードロス削減の工夫

計画的な食材購入で無駄を防ぐ

一つ目の工夫は、計画的に食材を購入することです。買い物リストを作成し、必要な分だけを購入することで、過剰な買い物を防ぎます。また、冷蔵庫やパントリーにある食材を確認し、使い切るように心がけることも大切です。

飲食店での実際の活用事例

多くの飲食店では、仕入れの際に週ごとの仕込み計画を立て、必要な食材だけを注文するようにしています。また、毎日食材の在庫を確認し、翌日の仕入れ量を調整することで、食材の過剰在庫を防いでいます。

食材の保存方法を工夫して新鮮さを保つ

二つ目の工夫は、食材の保存方法を工夫することです。食品の鮮度を保つためには、適切な温度で保存し、早めに消費することが重要です。例えば、野菜は冷蔵庫の野菜室で保存し、果物は常温で保存するなど、食品ごとに適した保存方法を選ぶべきです。

飲食店での実際の活用事例

飲食店では、野菜や果物の保存方法に特に気を配っています。例えば、葉物野菜は湿らせたペーパータオルで包んでから冷蔵庫に保存し、果物は室温が適切な場所で保管しています。また、保存期限が近い食材は、特別メニューとして提供し、無駄を減らす工夫も行っています。

残り物を活用して新しい料理に

三つ目の工夫は、残り物を上手に活用することです。例えば、余った野菜や肉を使ってスープや炒め物を作ることで、無駄なく食材を使い切ることができます。また、冷凍保存を活用することで、食材の賞味期限を延ばすこともできます。

飲食店での実際の活用事例

飲食店では、調理中に出た食材の端材や余った食材を無駄にしないために、賄い料理やスタッフ用の食事に活用しています。また、残り物を使った新しいメニューを開発することで、食品ロスをさらに減らしています。例えば、余った野菜を使った季節のスープや、前日のパンを使ったパングラタンなどがその一例です。
#家庭でできること

外食時のフードロス削減

外食時にもフードロスを減らす工夫が必要です。例えば、食べきれる量のメニューを選ぶことや、シェアして食べることで、無駄を減らすことができます。また、飲食店側も、適量の提供や残り物の持ち帰りを促すサービスを導入することで、食品ロスの削減に貢献できます。持ち帰り用の容器を用意している飲食店も増えてきていますので、遠慮せずに利用しましょう。持ち帰った料理は、翌日の食事に活用するなど、無駄なく楽しむことができます。
#ドギーバッグ

業界全体での取り組み

飲食業界全体での取り組みも重要です。例えば、食品廃棄物を肥料や飼料に再利用することで、資源を有効活用することができます。また、賞味期限が近い食材を活用したメニューを提供することで、廃棄を減らすことができます。

さらに、食品寄付を促進することも大切です。食べきれない食材をフードバンクに寄付することで、必要としている人々に届くようになります。飲食店や食品メーカーも、余剰食品を積極的に寄付することで、フードロス削減に貢献できます。
#フードバンク

まとめ

食品ロスを減らすためには、僕たち一人ひとりの意識と行動が重要です。計画的な食材購入や適切な保存方法、外食時の工夫など、小さな努力が大きな成果を生むことができます。

また、業界全体での取り組みも欠かせません。僕たちができることを実践し、持続可能な未来に向けて進んでいきましょう。
#飲食の未来

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