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ダモ鈴木と無人島


ダモ鈴木と聞いてニヤッとしたご変態様、いらっしゃいませ。
ASHIURAマガジン 無人島レコード担当のKです。
まず最初に無人島レコードとは、無人島に持って行きたい音源はこれです!
という至極シンプルな発想のもと、その音源に対してウダウダ語る概念(大げさ)です。

無人島レコード第一回目にお伴するアルバムはこれです。

CAN (カン) Ege Bamyasi 『エゲ・バミヤージ』
写真はKOGEICHISHINICHI@GMAIL.COM所有のレアな日本盤

カン? と聞いて、頭の中で「し~んぱ~いないからね~」がリフレインされた方、あなたは
正常です。逆に「ビタミンシ~ビタミンシ~」とリフレインされた方、あなたが心配です。
でも信じる事です。最後は愛が勝ちます。

で、このアルバム、K生誕でもある1972年 ドイツベルリンの壁崩壊17年前に
CAN通算4枚目のアルバムとして発表されました。
CANだから缶というダジャレを効かせたビジュアルは日本語の解る人しかわからないだろうが、それもそのはず、CANのメンバーにダモ鈴木というギラつかせた狂気の目を持つ日本人が在籍していたからCAN=缶である…
知らんけど。。
ドイツのバンドで発音のおかしい英語を使って、フリーキーなボーカルを披露する日本人が一時期在籍していたバンド…
これだけでもCANの特異性がなんとなく伝わるだろうか?
アメリカ人の父と韓国人の母との間に生まれた子が水原 希子というハイブリット感、と言えばわかりやすいですね!
知らんけど。

世界的なサイケムーブメントの最中、当時を代表するジャーマンロック(クラウトロック)は、アモン・デュールアシュラテンペルグルグルなど、LSDキメキメの呪術的インプロヴィゼーションや、クラスター、タンジェリンドリーム、ポポルブフなど、シンセサイザーやトライバルな楽器を多用した瞑想的なチルビゼーション(勝手な造語)などが主流の中、反復のリズムやメンバーのバックボーンでもある現代音楽的要素(長くなるので割愛)を確信犯的に取り入れたCANの音楽性は、後にレディオヘッドやトータスに多大な影響を与え、バンド結成から約50年経った今でも支持され続けている…
のか??のだ!知らんけど!
その中でも今回お伴に選んだアルバムは、個人的ロック名盤20にも選出する好盤であります。

さて、無人島に着いてまずやらなければいけないのは、寝床の確保でしょう。
まずはA面の山側を探索しにいきましょう。

さぁ出発だ!とマルコばりテンションのドラムで始まる『Pinch』 出発早々ピンチです!
前後多難な幕開け。それにしてもJaki Liebezeitのドラムは
有機野菜を黙々と咀嚼して、それをコーラで流す感覚…(わかりづらい)
そして、獣道をかき分けて目の前に怪しい川が現れる『Sing Swan Song』この水飲めるの?
なんだか怪しいけど、飲むしかないっしょ。
うん!飲んで正解だった。
だが急に眠い!今日の寝床はここに決めっ!『One More Night』いい夢が見れそうだ。

明日はB面の海側へ行こう。

しかし無人島での急な環境変化が身体に及ぼす影響は口内炎として露骨に表れ始めていた。
そこで登場するのが『Vitamin C』ビタミンダモ鈴木がしっかり口内炎に直接働きかけてくれます。
口内炎も治りかけきて、急にお腹が空いてきた。なんか食べるっしょ!
海に潜るとあら意外!牡蠣があちこちにプカプカ浮いている、牡蠣ってこんなだっけ?と思いながらも
海水と一緒に食べる牡蠣はまさに海の『Soup』牡蠣中毒なんて知ったこっちゃね~よ
お腹いっぱいに海のスープを堪能して、なんだか、『I'm So Green』な気分。
体に張り付いた緑色のワカメを無造作に口にほり込み、先人が忘れていったであろう、『Spoon』を拾い手に持ち、誰もいない隣に向かって、グーっ!無人島ではミネラルも大事だぜ!!
とワカメが張り付いた歯を見せながら笑顔を作るのだった。

そしてその笑顔はこみ上げる急激な腹痛で苦痛に歪む。
こりゃもうダメだ....朦朧として薄れゆく意識の中、目の先にはパカッと開いた、古びた牡蠣の缶詰が散乱している。
それらは無人島の日差しに照らされキラキラと輝いていた。

これだから無人島は嫌いだ....




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