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走る姿は美しい、それが「炎のランナー」。

令和初の箱根駅伝を記念して?
走る人の姿を切り取った長編映画を取り上げたい。
第一弾は1981年公開、第54回アカデミー賞作品賞を受賞した
今となってはイギリス映画の古典「炎のランナー」。

話はシンプル。20世期初頭のイギリスが舞台。
ケンブリッジで「差別と闘うために走る」ハロルド・エイブラハムズと
エディンバラで「神のために走る」スコット・リデル。
負けることをしらないこの両者が激突したら、どちらが勝つのか。
その勝者とアメリカの強豪とでは、どちらが強いか。
クライマックスは1924年パリオリンピックで
200メートル走に挑むハロルド、400メートル走に挑むスコット。
実在の二人の天才ランナーの「勝負」に焦点を絞っている。

シンプルな内容だからこそ、シンプルな旋律が印象に残る。(そして今に引き継がれる)
特に、映画の冒頭に、イギリスのオリンピック選手団の青年たちがセント・アンドリューズの海岸を走るシーンの背景にテーマ曲 (タイトルズ、Chariots of Fire)が流れるカットは(2012年ロンドンオリンピック五輪開会式でミスタービーンの手によってパロられるほど)有名だ。

「古き良き」イギリスの姿とか、オリンピックをめぐる駆け引きとか、
ほかに魅力はあるにせよ、
長短のショットやスローモーションをうまく組み合わせ、
人間がひたすら走る姿を切り取り、
その走る姿(そして何のために走るのか、という問い)だけで、124分持たせる。
シンプルで力強いとは、この様な映画のことを差すのだろうな、と今こそ思う。


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なお、正統神話である「炎のランナー」に対する邪宗門として「アナザー・カントリー」をこちらで紹介しています。どうぞ、お立ち寄りください。


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