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せんでもいい社畜追体験。ゲーム内ゲームですら。Mosaic
「ゲームの中でゲームにハマっていた」という事態もいまどき珍しくもなんともない。
乗り込み型筐体はじめ臨場感そのものを味わえる体験性を追究した、セガ黄金期のアーケードゲームが盛りだくさんの龍が如く。
協力・妨害という2人プレイの面白さを押し出す初期のソフトばかりを遊べ,ファミコンをインテリア代わりにできて一挙両得などうぶつの森。
最新の技術に技巧を凝らした本編ついでに、往年の名作をたっぷり遊べるのは、さながら棚から牡丹餅といったところだろう。
断じてクソゲーではいけない。クリア条件にしてもいけない。さもないとドンキーコング64の様に、ゲーム内のゲームのせいで本編を進められない。詰んだ。という事態になりかねないから。
ダークでシュール、独特な雰囲気を持つアドベンチャーゲームで、都会の孤独や、共感できない巨大な組織の一部になる恐怖を描いています。
インディーゲームMOSAICは、よりにもよって、この部類。プレイヤーはマニュアルもそこそこに、ゲームという名の中身のない仕事を追体験させられる。
一言でいえばリアルタイムに進行するパズルゲーム。しかしその実態は、ゲーム体験に神秘的な意味合いを持たせる世界観が設定されていないのはもちろんのこと、色彩豊かでポップなビジュアルでも同じ白黒二色でも斑鳩のように洗練されたデザインでもなく…つまりは目に優しくなく。音楽はあってなきようなもの。
あるのは、ゲームとしてのルールやゴールを直感的に理解させるためのインターフェイスでしかない。いや、そう言っては、ご先祖様々、スペースインベーダーやPONGに失礼か。ここにはスコアもなく、ルールはよくわからないままやらされる、時折起こるバグに苛つかされる無味無臭。
即断即決によるスピード感と正確さの悪夢めいたクロスの織りなすノルマが求められる。つまりは、生成AIの登場によって奪われるであろうホワイトカラーの仕事そのものが体現されている。
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白みが強く見えづらいUI。
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Where Did You Learn to Fly?よりはマシだが。
よりにもよってプレイ時間をカサ増し…もとい、社畜を追体験させるために、ゲーム内主人公をつうじクソゲというもおぞましい何かを強制させられるのは、いかがなものだろうか。
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もうひとつ、こちらはプレイ任意だが、ただボタンを押すだけ、押した回数をカウントしてくれるだけ、演出だけは派手なゲー無が、スマホにプリセットされている。早押しを競う?そんな機能はないね。NISAよろしくひたすら数ばかりを積み立てるのだ。
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このUIは非常に直感的で優れているので、ゲーム内ゲームの扱いづらさは意図的なものだ、たぶん。
その他赤字一辺倒の資産形成アプリ、DMしか届かないメーラーともども、主人公が所持するスマホから劇中いつでも起動可能だ。やっているうちに虚しくなるが。
このゲー無で私はこれで億万長者になりました、と胡散臭いネットニュースが配信されている、方やスマホよりはマシだがやはり面白みのないゲームを仕事としてやらされる劇中世界観は、ひたすら風刺に徹している。
つまりはこういえるだろうか、定価5,500円のTVゲームに、面白さで負ける人生を送ってないか?と。
話を戻せば、
仕事としてやらされるゲーム内ゲームすらクリアできれば、投げ出さなければ、「どうやったらサバイバルできるか」「どうすれば生き残れるか」すら最早考える余裕がない、仕事が「パンを得るための手段」にすぎない味気ない人生の主人公の目を通じて、やっとわずかばかりの、すぐしなびそうなやさしさを探し出すアドベンチャーゲームというべきだろうか、本作は。
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ドイツ表現主義的な、カフカめいた、悪夢めいた世界にのめりこもう。社畜の世界へ飛び出そう。
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