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映画の名セリフ、、引いてみた。

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甘い言葉がある。辛い言葉がある。英語だとわかるニュアンス、日本語の方が腑に落ちやすいフレーズもある。 そんな映画の英語の名セリフを、拙訳と共に引いてみる。 目標は和田誠の「お楽し…
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#ミュージカル

「Annette」(2021) "もう誰も愛さない、歌わない、闇の中で生きてやる”

2021年に公開されたミュージカル映画:奇才レオス・カラックス監督によって製作され、原案と音楽はスパークス(アメリカの音楽デュオ)が担当した「アネット」より。 当世一流のコメディアンであるヘンリー・マカートリー(演:アダム・ドライバー)と、オペラ歌手のアン・デフラン(演:マリオン・コティヤール)の間に生まれた特別な娘であるアネットの物語だ。 アネットは非常に特殊な才能を持っていた。まだ子供だからこそ、しかし子供離れした、お金に替えることができる歌声を持っているのだ。所謂「推し

"異性に恋したなら、微笑めばいい。異性に何かしてもらいたいなら、ウィンクすればいいのさ。"_"The Smiling Lieutenant"(1931)

ミュージカル、と言っては広義すぎる、トーキー草創期に数多く作られた「シネ・オペレッタ」。その代表作の一つ、エルンスト・ルビッチ監督「陽気な中尉さん」より。 古めかしさすら感じさせる、豪華絢爛なコスチュームやインテリアで飾られた王国が舞台。それもそのはず、制作当時、崩壊して十年と少ししか経っていなかったオーストリア=ハンガリー帝国の1900年代を時代設定にしているのだから。 だとしても、ハリウッド映画のにおいを感じさせないって?だって主演男優と監督と原作者が、全員アメリカの余所