介護という「仕事」に寄り添う哲学
ある失敗
ぼくには尊敬する友人が三人いる。
中でも、京都の施設にお世話になっていたころの入居者の生活相談の担当だったMさんは、ぼくの生涯のいちばんの恩人に違いない。
(車いすからベッドへの旅、「ひとりの時間①」参照)
実は、タイトルを考えていて、彼女のことを指して「天使の○○」とか、「菩薩の○○」などが浮かんだけれど、それよりも人間味の深い情けと艶で満たされた人だった。
彼女が介護する一つひとつの動きを眺めているだけで、日常の些細な苛立ちや憤りが静まっていくようだ