見出し画像

練習は噓を吐かない

こんにちは。
#アスリートの書く習慣 」の5日目です。今回のテーマは「今でも忘れられないコーチからの教えや学び」です。

表題の言葉が、高校生当時のソフトボール部顧問の先生(監督)からいわれたことで、とても心に残っています。

これをいわれたのは、2年生の秋にある選抜予選(いわゆる「秋大」)でライバル校に惨敗したあとのミーティングのときでした。

「練習は嘘を吐かへん。それまでの練習方法が間違ってたから、その結果が出ただけや。間違った努力をしたから間違った結果が出たんや。」

私は、その後しばらく言葉の意味を考えていました。
自分の望む「正しい結果」を求めるなら、正しい努力が必要です。私のテーマは(今もだが)打つことでした。当時、私の打率は驚異の.000で、とにかく一本ヒットを打ちたいという思いが強くありました。

素振りもしたし、ティー打撃もそれなりにしました。スイングスピードだけは今でも自信があります。ただ、「できなければとにかくバットを振る」という思考しかなくて、評価も振り返りもしていませんでした。その結果、自分の何がよいのか、何が悪いのかもわからずに練習をしていました。我武者羅なだけでした。

課題もわからないまま練習をしても良い結果にはつながりません。間違った結果を出し続けることになります。結局、私個人の高校ソフトボール生活は間違った結果で終わりました。

ただ、秋以後は考えて練習をするようにはなりました。自分の求めた「正しい結果」は、大学時代に得られました。

特に、大学時代は練習に細かく意味づけをして、目的意識を持ちました。
例えばティー打撃では通常の練習の前に、顔の高さと、膝よりも低いようなボールを地面にたたきつける練習をするようにしました。そのようにすることで、「バットのヘッドをたてて打つ」という意識づけができます。
その練習をするのとしないのでは、自分の感覚のなかでは打球の質が全く違うように思えました。

とにかく、正しい結果を求めるには正しい練習をすることで努力を積み貸さなければなりません。何が正しいのかは、本当はよくわかりません。ただ、逃げるのではなくて、「この行動(練習)には、このような意味がある」と理解している必要はあると思います。

江戸時代の剣豪、宮本武蔵は著書「五輪書」において、一流の兵法を身に付けるにあたり重要な心構えを以下のように説いています。

第一に、よこしまになき事をおもふ所
第二に、道の鍛錬する所
第三に、諸芸にさはる所
第四に、諸職の道を知る事
第五に、物毎に損得をわきまゆる事
第六に、諸事目利を仕覚ゆる事
第七に、目に見えぬ所をさとつて知る事
第八に、わづかなる事にも気を付くる事
第九に、役にたゝぬ事をせざる事

宮本武蔵『五輪書』の「地之巻」より

武蔵は、第一に「よこしまになき事」、即ち正しい道を意識するよう説いています。まさに、正しい努力が必要であることを示しています。
しかし、第三、四、六で、さまざまなことを知る事も重要だとする一方、第九に、無駄なことはするなと述べています。

私はこれについて、「自身がしていることの意味を考えるのが重要だ」というメッセージがあると思っています。

詳しく述べだすと読書記録になるので、これ以上はしません(笑)

武蔵が目指した「空」に至るのは難しいことです。そもそも正解があるのかどうかわかりません。でも、そこに至るために、武蔵は戦うときの脚運びや刀の使い方も細かく意識していました。無意味なことをしているとは思えません。

それに比べて、私が目指す「ソフトボールがうまくなりたい」という願いのなんと簡単なことでしょうか。

今後も、正しい結果が得られるように、正しい練習を積み重ねていきたいものです。正しいかどうかわからなくても、そこに意味を見出して進んでいきたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?