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やってみた。6、 最悪なストーリーを描く

人は自分の妄想によって行動を制限する。
これをやったらこうなってしまう、だからこうする、とかやめておく。とか。
例えば
・将来何が起こるかわからないからお金は節約して貯金する。
・これを食べたら太るからがまんする。
・人に嫌われないよう自分の意見は主張しない。
・独立したいけど、生活がやっていけないかもしれないからやめておく。
これらは全て妄想なのに実際にそうなるかもしれないと信じ込んでいる。
だから自分の行動を制限する。
それが多いとモヤモヤが増えてくる。
こうして自分で自分に制限をかけ、そこそこのやれることでおさめている場合、いつか人生がつまらないと思うようになる。
だからといって、一歩踏み出すことには不安や怖れがある。
かつて私もそうだった。というか、制限をかけている感覚も無ければ、いつも自分の精一杯でがんばっていた。
セッションなどを受けると、講師から全力を出していないとよく言われていた。その意味が分からなかった。
これ以上どうやって全力を出したらいいのか?という感じだった。
今思えば、「自分の出来る範囲」という妄想の枠内でがんばっていただけで、しっかり制限をかけていたとよくわかる。
この制限を解くために絶大に効果を発揮したのがこれ。
最悪なストーリーを描くこと。
以下の各ジャンル全て受け入れがたい将来・事態を描いてみる。
詳細に、リアルに、妄想をふくらませて想像する。


〇家族、パートナー
〇仕事・キャリア
〇能力
〇お金
〇資産
〇心身の健康、容姿、身体的特徴
〇趣味・レジャー
〇人間関係
早速効果が出たのは、人間関係だった。
人間関係の最悪なストーリー(妄想)を描いてみたときは、こんな感じ。
「人前で自分の意見を伝えたら、まわりは苦笑。特に何も言われずに話題が変わり、誰も自分の意見に対して触れてこなかった。私は再度自分の意見を伝えてみたが、今度は苦笑さえもなく、無視された。私はとても気まずくなり、その場を立ち去ったけれど、それを気にも留める人も誰一人としていなかった。背後からみんなの笑い声が聞こえる。私は誰からも必要とされていないのだと痛感し、このまま一人になっていった。」
そこで出たメンタルモデルは「人として値しない人」だった。
しかし、これでどーんと落ち込んで終わりではなく、最悪のストーリーが出来上がると、
「自分を押し殺してまで周囲と協調しても仕方がないな。それなら自己主張して総スカンくらってもいいか。」と思えてくる。
そうなると、不思議とエネルギーがわき、もしこの最悪なストーリーが事実になったとしてもまぁいっか。という気分になる。
そして「こんな風になるわけないな」と思わず笑ってしまう。
そう思えると、なるわけないということ、見守ってくれている仲間がいることを改めて実感し感謝の気持ちが湧いてくる。「私って満たされた人だな」と心から思えた。
そして、このあとから実際に多くの人と距離を保てるようになった。
最悪なストーリーがそうなるわけないな、と本気で思えたから。
だから行動に移せた。これを描いていなければ、人から距離を置くことにためらいが生じたと思う。離れることすらしなかったかもしれない。
このおかげで、自分がパワフルになれた。
さきほどの各項目が全てについて最悪のストーリーを描いたら、どれが起きても大丈夫という気持ちになった。
人は予期せぬ出来事にパニックになる。受け入れがたいことになればなるほど。
それを事前に最悪なストーリーを想定しておくことで、覚悟ができた気がする。
中途半端に曖昧にしておくことのほうが怖い。
全ての最悪なストーリーを受け容れた時に、直観力が研ぎ澄まされ、人に影響を及ぼし、場が動くことを実感した。
何かが実現できないときに最悪のストーリーを描くということはおすすめ。
最悪なストーリーは、リアルかつ大げさなくらい妄想ストーリーがいい。涙が出るくらい感情移入する。身体も身震いするほど反応するくらいが効果も大きい。
やってみてよかった。

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