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筋肉の話

筋肉で骨を動かす

スポーツをやる人は、力を込めるから体が動くと考えるのではなく、筋肉が骨を引っ張るから動作ができるということを意識しながら体を動かすことが大事です。

私はボートを漕いでいた現役のときには知りませんでしたし、コーチをしていたときも知りませんでした。
それでもボートを漕ぐことはできるし、指導することもできます。

しかし、筋肉が骨を引っ張って動作しているということを、意識して練習するだけで上達も早くなるし怪我も減ります。

これは知ってる人にとっては、本当に当たり前のことです。
しかし、トップアスリートであっても、そのことを知らなければ知らないまま競技をおこなっています。

この基本的な考え方は教えてもらっていいれば小学生でも理解できることです。ただ知らないだけです。教わる機会がなかっただけです。

筋肉の「基本のき」

基本的に筋肉は、関節をまたいで骨についています。
筋肉が縮むことで骨を引っ張ってくるから、関節を介して骨が移動してきて体が動きます。

腕の力こぶを作る筋肉は、肘の関節をまたいで前腕(肘と手首の間の骨)と上腕(肘と肩の間の骨)についています。
力こぶの筋肉に力を込めて長さが縮むことで、前腕が引っ張られるから肘が曲がります。
肘が伸びるときは、力こぶは長さは引き伸ばされて長くなります。長さが伸びた分、太さは細くなります。粘土遊びと同じで同じ量の粘土を細くすれば長さは伸びるし、短くすれば太くなります。

筋トレとは・・・

何度も肘を曲げて、力こぶの筋肉を酷使すると力が出せなくなってきます。
これは筋肉が縮めなくなって、前腕の骨を引っ張れなくなったということです。この引っ張れなくなる状態を毎日繰り返していれば、脳は「引っ張る力が必要なんだ!」と感じるようになって、筋力を出せるように筋肉を大きくするようになります。これが筋トレです。

これとは逆に筋肉を使わなくなると、筋肉はあるだけで維持するためのエネルギーを必要とするので、筋力が必要でなくなれば筋肉は細く痩せてきます。競技を引退すると筋肉が落ちるのはそのためです。

ダイエットで筋トレをするのは、筋肉を維持するためにエネルギー(基礎代謝)がその分多く必要になるためです。
基礎代謝は何もしなくても消費するエネルギーなので、競技を引退して太ったり、中年太りは、運動をしなくなったことでカロリーを消費しなくなったこともありますが、筋肉が落ちて基礎代謝が低下することのほうが影響は大きいといいます。

筋肉の怪我

何度も何度も肘を曲げ伸ばししていると、骨の筋肉がくっついている部分が何度も何度も引っ張られて炎症をおこします。これが野球肘とかテニス肘です。

髪の毛で考えると・・・
弱い力であっても、何度も引っ張っていると頭の皮膚が赤く炎症をおこして触るだけでも痛くなってきます。強い力で引っ張れば髪は抜けてしまいますし、途中で切れてしまうかもしれません。

アイシング

肘が痛い時にはアイシングと言って氷で冷やします。
頭皮が赤くなっている部分を冷やすと赤みが消えて、皮膚の温度も下がってくれます。
ピッチャーが投球のあとに肩を冷やすのも、何度も骨から筋肉が剥がされるような刺激で肩が熱を持つからです。

ストレッチ

筋肉は縮むときに力を出し、疲れると縮んだままで伸びづらくなります。
それを伸ばしてあげるのが、クーリングダウンでおこなうストレッチです。
ストレッチすると筋肉が伸ばされて、もう一度縮み代ができるので力が出しやすくなります。血行も良くなるので、疲労回復がうながされます。


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