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脳は省エネが大好き

人間は、生きるために省エネを選ぶ

そもそもすべての生物の最終目的は、自分の遺伝子を次の世代に受け渡すことです。そのため生物は生き残るために進化を繰り返してきました。

大昔から動物は、常に食べることに苦労してきています。そのため体は飢餓に対応した進化をしてきました。

次にいつ食べられるかわからないから、食べたものを脂肪として蓄えるようになえりました。太り過ぎ、メタボなどの症状は、大昔であれば考えられないことです。

食事に困らないような環境は変わっていても、人の体は大昔のままなのです。

エネルギーを使いたくない

体は飢餓から身を守るために、余計なエネルギーは使わないように進化してきました。

余計な筋肉は付けると基礎代謝もアップするので、筋肉が付くまでは3ヶ月ほどは筋トレを継続しないといけませんが、筋肉が落ちるのは速いです。骨折をして一ヶ月ほどギブスをしていれば、腕は二周りくらいはすぐに細くなってしまいます。

運動不足だけど体を動かしたくないという人が多いのも、動くとエネルギーを無駄に消費してしまうからです。
動くと痩せてしまうし、お腹が減ってたくさんの食料が必要になります。

このように、体は必要でないことはできるだけおこなわないように進化してきています。

しかし、必要なものについては労を惜しまずにおこないます。
例えば、呼吸することです。

呼吸は、歩けなくなっても、病気になっても、食べ物が食べられなくなっても最後までし続けます。

呼吸することは生きることに直結するので、色々な方法を使ってでも維持するように対処します。

腹式呼吸ができなくなれば、胸式呼吸をメインにして呼吸します。それでも足りなければ、首の前や胸の筋肉、表情筋なども使って呼吸をします。
呼吸が止まってしまえば死んでしまうので体は必死です。

慢性腰痛の人は腹式呼吸が苦手です。

人は腰が痛くなると歩くことが困難になってしまいます。
歩けないことは、大昔であれば食べ物を見つけられないし、敵から逃げることもできない、パートナーを見つけることができないことに繋がり、死に直結する大事件でした。

そのため腰が痛くなっても、歩けるように体は対処します。
腰回りの筋肉を固くして、自前のコルセットを作ります。

しかし、自前のコルセットをつけると、歩くことはできても呼吸がしづらくなってしまいます。体は呼吸は絶対に維持しないといけないので腹式呼吸の割合を減らして胸式呼吸の割合を増やします。

慢性腰痛でずっと自前のコルセットが必要であれば、体は省エネのために筋肉に司令を出さなくても力を入れ続けられる方法を選択します。これが「筋肉の凝り」です。

重いものを持つと腰が痛くなるから、重いものは持たない。すると体は今までは重いものを持つために必要だった筋肉を小さくして省エネの体にします。運動をしないと筋肉が落ちる現象です。

一度筋肉が落ちると付けるのは大変です。エネルギーをたくさん使うからできるだけ筋肉は付けたくないのです。すると腰を支えるための筋肉にも余裕が無くなってしまいます。

仮に4割の筋肉が落ちてしまったら、今まで100の筋肉で50の仕事をしていたのに、60の筋肉で50の仕事をしなければならなくなります。

体は大変だからその仕事自体をやらないようにするか、どうしても必要なことは、別の筋肉に応援を頼んでおこないます。
フラフラしながら歩いたり、びっこを引きながら歩く動作などの代償動作です。痛みにつながったりします。

人は道具を使うので、別の筋肉を使わずに道具に動作をさせます。
歩くときは杖を付くし、バランスが取りやすい歩きやすい靴を履きます。

歩きやすい靴は、本来は体がおこなう機能を靴に行わせているので、使えば使うほどその靴に頼り、体は衰えて行きます。過保護な靴です。

体はできるだけ省エネをしたい

とりとめもなく書いてきましたが、体は飢餓に対応するためにできるだけ省エネをしたいのです。

動物は生きるために環境に適応するように進化してきましたが、人間だけは道具を使うことで、進化するよりも速く環境に対応するようになりました。

土を掘るのも、大昔は木の枝で掘っていたかもしれません。それがシャベルになりスコップになり、今はパワーショベルになりました。

これらの発展の基本は「筋肉は増やしたくないし、使いたくない」の体は省エネを好むということがあります。





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