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続・クイーン グレイテスト・ヒッツVol.2にまつわる話

先日書いた記事の続編です。
紙ジャケット仕様の再発版がエンボスデザインを再現していて、15日にわざわざ店舗まで見に行ったと書きました。その時は本当に見るだけだったのですが、誕生月クーポンがあったのでオリジナル見開きLPのミニチュアがあるのもいいんじゃないかとこれをオンラインで購入してみました。

黒いジャケットの再現です。エンボス加工、なんとなくわかります?

帯叩きが気になります
それはまたあとで触れます
ここだけ見るとLPの見開きジャケットと
スリーブに見えなくもないけど
やっぱりミニチュアってわかりますね
バーコードはこのアルバムの本当の品番
その下の品番は前の記事で貼ったものと同じ
つまりPARLOPHONE盤の再現です

この紙ジャケット仕様が発売されたのは、2016年の来日公演を記念した2016年9月21日です。私も9月23日の公演に足を運んでいます。真西の席で真横から見る感じでした。西はステージからは近いけれど決していい席ではありません。1985年のTOTOとか、昨年のMR.BIGとか、悪い席に当たった時の事をなぜか人は記憶しているものです。

クイーンはフレディ亡き後でも定期的に話題になり、その度に新たなファンを増やしてきた印象があります。記憶しているだけでも、メイド・イン・ヘヴンが発売された時(1995年)、月9のドラマでクイーンの曲が主題歌&挿入歌となりジュエルズ(ベスト盤)が発売された時(2004年1月)、ポール・ロジャースと活動を始めた時(2005年)、日本でミュージカル「ウィ・ウィル・ロック・ユー」が上演された時(2005年~)、アダム・ランバートを迎え活動を始めた時(2012年)、そして映画「ボヘミアン・ラプソディ」の公開(2018年)です。

顕著に日本人が反応したのが2004年の「ジュエルズ」発売の時でしょう。ドラマ「プライド」で「ボーン・トゥ・ラヴ・ユ-」が主題歌として起用されたことで企画された、サントラを兼ねたベストアルバムです。ドラマ人気との相乗効果で、当時オリコンで1位を獲得したのはある意味驚きました。私はこのコンピレーション、IもIIも持っていません。日本独自企画っぽいアルバムがあまり好きではないのと、多分ドラマとのコラボみたいな売れ方に納得できなかったのかもしれない。なぜかここ日本ではそういう独自企画のコンピレーションアルバムがたくさんありますが私はたまにしか買いません。

そして映画「ボヘミアン・ラプソディ」。私も数回観ました。正直にいえば世間からの賞賛やもてはやされ方が異常と感じました。曲の時系列が少し違っていたり、ドラマチックに演出するために意図的にエピソードに手を加えているのが気になりましたが、そんなちっぽけな違和感など関係なく大ヒットしました。この映画、純粋なドキュメンタリーではないのですが、もともとクイーンファンでなかった人にはエピソードをすべて本当だと信じた方も多いようです。あの映画で良くも悪くも大衆化し過ぎてしまった。昔から日本では人気の高いバンドでしたが、ここまで一般的にならなくてもいいのにと、ファンと公言するのに抵抗を感じるようになりました。

この映画のヒットで「ボラプ」と省略されて言われているのを目にするようになりました。私はこの略し方大嫌いで、Twitterではキーワード登録してブロックしたくらいでした。過去にこんな略されかたをした記憶もなく、ファン層の世代が変わった事を感じました。新しいファンが増えるのは歓迎すべきなのに、素直に喜べない。

これもファン層が広がった影響と言ったら間違いになるのかもしれませんが、2020年の来日公演で隣の観客が場違いなペンライトを振りかざす若い女子で、それがまぶしくてコンサートに集中できず本当に迷惑でした。(親子で来ていた子供のほうが私の隣で、ペンライトにはアイドルのイベント名が印刷されていました。)コンサートの種類によって使い分けが必要なんだと理解できない人がこのコンサートに参加していることがちょっとショックでした。持ち込めない物に挙がっていたかといえばなかったかもしれませんけど、ロックコンサートでは常識です。そんな事で微妙に集中できなくて、あの映画がなかったらここまでのファン拡大はなかったのかもしれないのに、と悪い方に考えてしまったのでした。

この再発アルバムには「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」がボーナストラックとして収録されています。写真の帯を見ていただきたいのですが「日本で最も人気の高い『ボーン・トゥ・ラヴ・ユー』」と書いてあるのが気になりました。日本にいるのにそれが理解できない。どの筋の情報だよと思っていたのですが、この記事を書きながら過去を振り返り、月9ドラマの主題歌があれだったからなのかもと思ったのです。でもそんなに人気ありました?確かにCMソングになっていることもありますけど、そんな人気の高い曲だとは自分では思っていませんでした。来日公演の度に演奏されるのは、アーティスト側からも日本で人気が高い曲と思われているからなのですかね。setlist.fmで見る感じでは、ほぼ日本でしか演奏されていないようですね。

そして、この曲が収録されているアルバムがこの後のGreatest Hits IIIならまだよかったのです。オリジナル発売日にクイーン名義でリリースされてもいない曲を後付けで追加しないで欲しいと思います。ボーナストラックはあくまで、オリジナルリリース年までに録音済みの曲にとどめていただき、オリジナル感は大切にして欲しい。このアルバムにこの曲を入れて誰が喜ぶのでしょう。なにか新しい目玉がないと売れないと思われているアルバムじゃないのにと思います。

ファンの微妙な心理でいえば、1995年の「メイド・イン・ヘヴン」、新曲が聴けて嬉しかった反面、フレディのソロ曲までクイーンのアルバムに持ってこなくてよいのにと思いました。1985年のソロアルバム(Mr. Bad Guy)を聴いているファンにとっては「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」とか「メイド・イン・ヘヴン」はやっぱりフレディのソロ曲なんです。曲数が少なくてもそこは理解できますので、ミニアルバムでもよかったのでは・・・。
(複雑なファン心理なのですが愚痴ぽくなっちゃいましたね。)

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