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世界最南端の中華料理屋

先日、アルゼンチンで最も南にある都市、ウシュアイアを訪れた。

本当は、タイトルを「世界最南端の都市」としたかったところだが、よく調べてみるとウシュアイアよりも南にチリのプエルト・ウィリアムズという街があり、2019年に「世界最南端の都市」の座をそちらに明け渡しているらしい。

しかし!夜ご飯にタラバガニを食べた中華料理屋は間違いなく、世界最南端なので、このタイトルにした。世界最南端であることを売りにしている中華料理屋だった。中華料理はどこの国に行っても美味しい。



・・・とにかく、ウシュアイア、素晴らしい場所だった。

昔、何かのテレビ番組で南極に行くための拠点になる街を見た記憶がある。今考えれば、あれがウシュアイアだったのか。とにかく、自分とは全く関係のない世界にある街という印象だった。その時は、まさか自分がその街に来るとは夢にも思っていなかった。

ブエノスアイレスから飛行機で約三時間半、ウシュアイアに降り立った。最初、感じたことは「風が強い」「物寂しい」「果て」という感じ。

ウシュアイアは夏でも平均気温が10度くらいの場所で、曇りの日が多いという。そして何より、なかなか太陽が沈まない。

私が滞在したときは、22時半ごろにようやく暗くなったかと思えば、4時半には日が昇ったようだ。白夜の時期、また逆に極夜の時期もあるようで、地元のタクシードライバーは「極夜の時期はビタミンDが足りない」と言っていた。

そんな気候が「果て」感を演出しているのだと思う。

このウシュアイア滞在で特に印象に残っているのは朝ランニングが異常に気持ちよかったことだ。世界の果てを走っているという意識からか、通常の朝ランニングにはない、高揚感があった。

朝のランニングは、静かな時間帯に、車が入りにくいところも、小回りがきくので、どこだって自由に周ることができる。

メインストリートから空港の方に向かい、Bahia Encerradaという湿地帯をゆっくり周っていると、気がついたら8kmほど走ったことになっていた。知らない街ではこのくらいはあっという間に走れてしまうから不思議だ。

湿地帯には水鳥がたくさんいた。展望デッキのようなものが造られており、犬が進入禁止であることを示す看板があった。ドッグフレンドリーなアルゼンチンにはとても珍しいサインだと思った。環境の保護に力を入れていることが伝わってくる。

地元の人々が住む民家がぽつぽつと並んでいる。平屋で、温かみのある色をした家だった。白夜、極夜の時の過ごし方は一体どんななのだろう。暗い中、子どもたちは外で遊ぶのだろうか。

パタゴニア地方特有の強い風を感じながら走るランニングはとても贅沢な運動だった。

晴れたウシュアイアの街
奥の国旗、相当でかい
メインストリートの奥にある、元監獄と船舶博物館
監獄 看板や説明がない牢獄は非常に物々しかった(色んな展示がある牢獄もある)
入ってみる
手洗い場
トイレ ドアは?
世界の果ての鉄道、南フエゴ鉄道の駅周辺、楽園のような場所
南フエゴ鉄道、途中下車。『世界の車窓から』の音楽が脳内で流れる(古い?)
朝のウシュアイア、メインストリート
生物多様性の街、ウシュアイア
Bahia Encerrada 水鳥がたくさん
世界最南端の中華料理屋で食す、名物、タラバガニ(centolla)

Espero que se siga protegiendo la magnifica naturaleza de Argentina
(アルゼンチンの雄大な自然がこのまま保護されることを願います)

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