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『Gのレコンギスタ』と老成の問題(接触篇)

「Gレコ」完結に寄せて

 富野由悠季監督の最新作『Gのレコンギスタ』の劇場版5部作が、現在公開中の『IV 激闘に叫ぶ愛』と『Ⅴ 死線を越えて』で完結した。テレビシリーズに手を入れた再編集版とは言え、10代のころに富野由悠季の作品に触れたせいで、このような人間になり(15歳でイデに取り込まれる)、このような人生を送ってしまった(ケンカしてテレビをやめて、「お前ちょっと丸くなれよ」と肩ポンポンされる)人間としては、やはりどうしても気になってしまい、先週末に劇場に足を運び両作を連続で観てきた。この作品については12日にこの配信で議論するつもりだし、僕の私塾(宇野ゼミ)でもこのタイミングで富野由悠季については入門的な講義をするつもりだ。しかしここでは、これたの座談会やゼミではおそらく話すタイミングがないだろう個人的な富野監督に対する考えも含めて、まとめておこうと思う。

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