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『犬王』と彼岸の問題

 週末に、公開されたばかりの『犬王』を見てきた。今回はそこで考えたことをまとめておこうと思う。最初に言っておくけれど、僕はある作品に「乗る」か「乗らない」かといったゲームには興味がないし、参加するつもりはない。そういうのが好きな人は、単に他のものを読むと良いと思う。

その上で、まずはあくまで僕の興味から湯浅政明という作家のこれまでについて振りかえることからはじめたい。

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僕はもはやFacebookやTwitterは意見を表明する場所としては相応しくないと考えています。日々考えていることを、半分だけ閉じたこうした場所で発信していけたらと思っています。

宇野常寛がこっそりはじめたひとりマガジン。社会時評と文化批評、あと個人的に日々のことを綴ったエッセイを書いていきます。いま書いている本の草…

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