マガジンのカバー画像

u-note(宇野常寛の個人的なノートブック)

宇野常寛がこっそりはじめたひとりマガジン。社会時評と文化批評、あと個人的に日々のことを綴ったエッセイを書いていきます。いま書いている本の草稿や没原稿、なども載せていく予定。SNS…
僕はもはやFacebookやTwitterは意見を表明する場所としては相応しくないと考えています。…
¥980 / 月
運営しているクリエイター

2024年3月の記事一覧

乙武洋匡さんの衆議院東京15区からの出馬について思うこと

僕は乙武洋匡さんの衆議院東京15区からの出馬について複雑な感情を抱いている。僕は彼が以前参…

宇野常寛
3か月前
48

オリンピックも万博も「要らない」と言える社会の「成熟」を考えてみた話

少し前にこの国は「空気」で作られた「流れ」を止めるという成功体験が必要だということを書い…

宇野常寛
3か月前
33

在野研究者やフリーの書き手がもっと「食べやすく」なるために整備したいある回路につ…

さて、今日はちょっと真面目な話をしたい。少し前に磯野真穂さんのブログで在野研究者の「お金…

宇野常寛
3か月前
46

『成瀬は天下を取りにいく』と「地元」の問題

僕は宮島未奈の「成瀬」シリーズ(『成瀬は天下を取りにいく』『成瀬は信じた道をいく』)が好…

宇野常寛
3か月前
45

「(必要悪としての)飲みニケーション」という「負の連鎖」を断ち切るための考察と提…

ご存知の人も多いと思うが僕は世界で一番「飲み会」が嫌いだ。もちろん、すべての「飲み会」が…

宇野常寛
4か月前
45

麻布台ヒルズに行って、「チームラボ」とは何か、改めて考えてみた話

ご存知の人も多いと思うが僕とチームラボの猪子寿之とは古い友人で、2013年からコロナ禍の前あ…

宇野常寛
4か月前
39

『薬屋のひとりごと』と「正義感」の問題

実は昨日、一昨日と胃腸炎とそれに伴う発熱(38.9度まで出た)で寝込んでしまっていて、昨日の夜の『薬屋のひとりごと』についての座談会もその前後に吐いたり吐かなかったりしながらなんとかこなしていたのだけど、今日はその座談会から一晩経って考えたことについて書いてみたい。 僕は意外とこの作品が好きで、最初は話題作だから観ておくか、くらいのつもりでアニメ版をダラ観していたのだけれど、だんだん面白さが分かってきて、今ではヒロイン(猫猫)のような子が親戚にいたらものすごく可愛がるだろう

「チート化する社会」という不可避な不幸が、そこまで迫っている(もう訪れている)の…

昨晩はPLANETSCLUBで、山口揚平さんに特別講座を開いてもらった。ベースになるのは彼の新著『3…

宇野常寛
4か月前
67

「幸福」「ウェルビーイング」を社会的な価値として「定義」したくなる人間の欲望はか…

先日、楽天大学ラボの収録で久しぶりに石川善樹さん、矢野和男さんとお話した。テーマは「幸せ…

宇野常寛
4か月前
90

政治的な「対話」が自己目的化して民主主義が壊れそうになっている今、一番必要かもし…

 僕が先月からはじめた連載『ラーメンと瞑想』は、「食」をテーマにしたエッセイのような、小…

宇野常寛
4か月前
44

『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』と「冒険」の問題

 話題の今年の大長編ドラえもん『のび太と地球交響楽』を観てきた。映画自体には過不足なくよ…

宇野常寛
4か月前
44

『王様戦隊キングーオージャー』と「切断」の問題

 先日、石岡良治さん、切通理作さん、國分功一郎さんと4人で先週完結した『王様戦隊キングオ…

宇野常寛
4か月前
29

本屋が街から消えたあと、都市に必要な本屋「的な」場所について考えてみた話

さて、今日は珍しくニュースについてコメントしてみたい。 取り上げるのは特に地方都市におけ…

宇野常寛
4か月前
119

ネット上の「言説(情報)」の検証コストが上がり続けた結果何が起こるかを、「格差」から考えてみた話

 今日は、ちょっと思考実験的なことをしてみたい。それは「分断」というものと社会はどう向き合うのか、という問題だ。デリケートな問題なので、あくまで例題だと思って欲しいのだけど、たとえば年金や社会保障の問題では「世代間格差」がしばしば問題になる。これを是正するべきだ、と考える人たちが意見を述べると、多くの場合それは「社会の分断を煽るべきではない」と批判される。僕はここにちょっと引っかかる。もちろん本来はゼロサムゲームではないものをそうであるかのように喧伝して、どちらかの陣営の動員