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兼業すること

最近、本屋にいくと「副業」やら「投資」関連の推しが強い。ネット広告でもマッチングアプリ以上に不動産投資やらアフェリエイトなどを推してくる。自分の周りでもNISAやiDeCoの投資関連の話題も共通言語になってきた。なんでそうなってきたのかという明快な持論があるわけでもないのだが、この数年にも渡って続いているコロナやそれに伴って生じた経済的不透明性が少なからずも影響しているのであろう。

私は今、会社に雇われながらも個人(ワクコエテという屋号)でコンサルティングを行う「兼業」というワークスタイルである。個人の方は会社の業務後であったり、夜であったり、土日で行われる程度で処理できるいわゆる「スモールビジネス」である。もちろん会社に承認を得て行っている。

このスタイルの話をすると十中八九「副業」と認識される。違和感もあったものの最初は異論を持たなかった。というかその異論があることすら認識をしていなかった。一番の違和感については、個人で行っているワクコエテには小さいながらもビジョンがあったという事。それを実践することで微かであるがこの世界に変化を起こせるのではないのか、ということが動機にあったという事。

その違和感を昇華させてくれたのがドラッカーが書いた『明日を支配するもの』である。
その本に「パラレル・キャリア(第二の仕事)」というワードである。ざっくりいうともう1つの世界を持つこと。たとえば会社員として働きながらも、ボランティアを行い社会貢献を行うことや、作家になってもいい。ひとつの仕事を本業ととらえず、すべての仕事や活動に本業と同じように取り組むこと。

「副業」は本業以外の仕事で収入を得ること、というウィキペディアの意味を採用すると似て非なるものという事が分かる。


ワクコエテでもコンサルティング業務なので報酬が発生する。最初はこの部分に苦悩した。今もその苦悩は続いているわけだが。

現状でも少しワクコエテでやるには大きい仕事に関しては、所属の会社で受注することも視野に入れている。個人と会社ということには拘りがなく、どちらかというとクライアントのご要望に沿った受け皿になれることを一番と考えている。ただ会社と個人のズレは多少ある、それによってチャネルも違うのでイコールではない。逆にそれが面白くもあるわけだが。

自分なりには下記のように納得させている。
『明日を支配するもの』にも書かれていたのだが、「第二の人生に備える」という意味を持たせている。

例えば定年を迎え、いきなり所属先をなくした場合、いくら技能があってもいきなり自分で起業することは難しいと思う。会社員であれば確定申告もしなくていい、仕事も一般的には会社が与えてくれる。また定年という年齢まで働くという事は、年齢も重ねているので新しいことを行うというハードルが高くなってしまう。(もちろん人によるということは重々承知)
ワクコエテがメイン業務となり、別のキャリアが追加されることがあるかもしれない。試行錯誤の日々は終わることはない。

これら準備という意味でのパラレル・キャリアという手法はとても有効である、ということで私が実践してそろそろ1年が経過する。

「パラレル・キャリア」という手法の採用は自分を豊かにしてくれている。
確かにもはや「休日とか何だっけ?」というメンタリティにはなっているのだが、日々がとても楽しい。

この一年、開業届出したり、営業メール送ってみたり、見積書などの書類発行したり、確定申告したり、納税したり、ホームページ作ってみたり、いろいろ経験した。

正直、今年40歳になる年なのだが、40年間生きて一番濃密で、こんなにも多数の方々に支えられた年は今までにない。

多くの方に気をかけて頂き、お仕事も頂き、アドバイスも頂き、「頂きっぱなし」の一年間でもあった。本当に皆々様には感謝をしている。

今後は引き続き「頂き」ながらも、「与える」側の人間を目指して切磋琢磨していきたい。


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