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元確認検査員が教える_ワクコエテ流__抜けない法チェック方法について①  ~プロセス編~

「確認申請時、確認機関の審査担当がどのように審査しているのか?」

気になりませんか?
「どのように審査して質疑書を書いてくるのか??」
検索しても出てきませんし、誰も教えてくれません。

指定確認機関は平成11年の建築基準法の改正に伴い、民間開放されました。現在、全国におよそ130社あるそうです。

ちなみに全国の設計事務所数は国交省が公開している情報によると令和2年4月1日時点で10万事務所です。

確認機関と設計事務所数との比較にあまり意味はないのですが、民営化して20年程度と短くかつ同じ建設業界なのですが、会社の数としても設計事務所数の0.1%程度のニッチな職業であるという、ことは言えるかもしれません。

という背景がありますので、あまり情報が自由に飛び交っている業種ではないなと感じます。
昨今ではTwitterで確認機関所属の方も結構増えてきてはいますが、基本的にアノニマス。みなし公務員というところもありますので、なかなか匿名で行うことが難しいという推測もできます。

今回は元民間の確認機関に所属していた私が確認検査員時代に行っていた審査プロセスを紹介しつつ、注意点を解説しつつ、「ワクコエテ流_抜けない法チェック方法」という題目で記事を書いてみようと思います。

もちろん情報開示に抵触することは行いません。
あくまでも誰でも検索可能な情報を持論を展開し、私的にノウハウをアウトプットする。設計する際のお役立ち情報的な立ち位置で情報を発信していこうと思っております。

もちろん、建築プロセスに絶対なんてありません。
持論なので1つのプロセスとして建築行為をする際のご参考にして頂ければ幸いです。


01_確認と許可


まず確認申請とはなんなのか?
基準法第6条(民間は法第6条の2)に定義されておりますが、ざっくり言うと申請建物が建築基準関係規定に適合しているか、ということを「確認」するという手続きです。

【建築物の建築等に関する申請及び確認】抜粋

第6条  建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(略)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(略)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。~略

この辺りは専門ではないので、あいまいなのですが、
「確認」は行政行為に位置付けられるのですが、「許可」等の法律行為的行政行為(行政庁の意思に基づいて法的効果を発生させるもの)ではなく、準法律行為的行政行為(行政庁の意思が伴っていない行政行為)に区分されます。

すでにある建築基準関係規定に適合しているかををチェック(確認)するものなので、本来であれば誰がやっても同じ結果なるということになります。ドラスティックに言うならば「確認」という行為には実は裁量という考えはないということです。
しかし、実際は確認機関、各行政庁、担当ベースで規定されている内容の判断が変わるようなことは多々あるかと思いますが、原則は上記の通りかと思います。

この辺りを「許可」と混同されている方が多い気がします。
「許可」は禁止されている行為を、特定の場合に解除して、適法に特定の行為を行わせる行為、ですので「確認」とは意味あいが異なるのです。

要は民間の確認機関は「建設許可」を与えているわけではなく、書類のチェックをして、確認済証の交付するという事務処理要素がつよい手続きであるといえるかもしれません。

上記はあまり本編とは関係ない前書き。
でもこのような考え方を知るのも重要だと思います。

例えばとある確認機関で明らかに建築基準関係規定に関係ない指摘をされた時、上記のようなロジックで抗うということも1つの判断かと思います。もちろんその指摘の真意もありますので、何より対話が重要かと思います。

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02_プロセスとリスク

本編に戻ります。
では「すでにある建築基準関係規定に適合しているかををチェック(確認)する」ということであれば、「どの確認機関に確認申請だしても同じですよね?」という質問が生まれます。解としては、「結果は同じですが、そのプロセスは異なります。」です。

確認済証等の発行後、行政報告時に簡単なチェックリストの様なものを送付するということはありますが、その審査手順については厳密には定まっておりません。(民間の確認機関は認可されて業を行うことができるようになるので、一定のルールは届出しております)

確認機関によってマニュアルやルール等ものを定め、各社抜けが生じないように日々ノウハウを構築しているのだと思います。

ご存知の通り、
あってはならないのですが、確認申請の手続き中に過ち等があってしまうと単独であればその確認申請が取り消しされたり、またその確認機関に対しても業務停止等の重い処分が下る場合もあります。
ですので各確認機関も誤った審査をしないように試行錯誤を講じております。

03_確認申請時、審査担当がどのように審査しているのか?

では冒頭の質問に戻ります。
「確認申請時、確認機関の審査担当がどのように審査しているのか?」
についてですが、

建築基準法、建築基準法施行令、告示、その他関係規定を網羅的に確認し審査を行っておりました。
次に、毎回、法令集の全てを一枚一枚めくり確認しているのか。
それは違うと思います(もしかしたら
そういう審査スタイルの方もいるのかもしれないけど、、)

ちなみに私は上司に建築基準適合判定資格を取得するまでは、建築基準法と施行令をすべてめくって審査しろ、と言われ実践しておりました。そのルーティンは今生きていて、新規の案件時はピラピラいまだにめくっております。

さらに補足ですが「建築基準適合判定資格」とはいわゆる主事資格と呼ばれるもので、一級建築士であり、二年の審査実績の後取得することが可能となる資格です。取得すると確認済証等の決裁をすることが可能となります。

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これは国交省が発表している「建築基準適合判定資格」の受験動向です。
見てわかる通り、一級建築士試験の受験者に比べ非常に少ない。確認機関や行政庁に所属しないと取れないものなので、なかなかレア資格です。
資格者の高齢化も進んでおりますので、ニーズもあるかと思います。

また脱線してしまいましたが、本題へ。
今回は私が実際担当時代に行っていた審査手順を紹介することによって、皆さんの確認申請時に「やっちまった!」という指摘をすこしでも減らせればいいなと思い、手順とありがちなミスについて段階に分けて説明していこうと思います。

建築基準法_m

04_審査プロセス


年々分厚くなっている建築基準法。
上の方でも書きましたが、そのすべてを毎回見ながら審査しているか?という疑問を感じている方もいるかもしれませんが、答えはNoです。

私が担当時代に実践していた手法は 
①敷地の調査→②基準法第三章(集団規定)→③基準法第二章(単体規定 →④施行令第四章(防火・耐火)+施行令第五章(避難規定)+施行令第五の二章(内装)→⑤各種条例 というざっくり5つのフェイズに分けて審査しておりました。

もっとざっくり言うのであれば、基準法の第二章と第三章とそれに関連する政令というイメージでも8割がたOK。
意外に重要なページは少ないのです。※重要の尺度は人それぞれですが。

実は決裁する時の手順はこれと異なるのですが、今回は担当ベースの審査手順に沿って解説させて頂きます。

本当であればこの流れについて一つの記事として書こうとしていたのでますが、伝えたい事が多すぎで長文になってしまったので、数回に分けた連載にさせて頂きます。

次回は敷地調査編です。

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