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ブラック企業

昨年末の話だ。

12月27日、年の瀬でパタパタしている時に、洗濯機が止まった。

朝普通に洗濯を始めたのだが、途中ピロピロといつもは聞かない音を出し、見に行ったら止まっていた。

表示を見ると、どうやら洗濯物が傾いていて脱水ができないとアピールしている。

なので一度洗濯物を出し、傾きのないように並べ、脱水ボタンを押した。

そうしたら最後までやりきってくれた。

しかし次の朝、又傾いて脱水ができないとアピールし、仕事を放棄していた。

このままお正月に入ってしまうと、メーカーさんがお休みに入ってしまう。それだとまずいので、すぐに修理の依頼をした。

すると翌日なら来れるとの返事で、30日の午前中にきてくれる事になった。

来てくれる修理の人はうちに来るのはもう三度目の顔馴染みさん。

洗濯機の基盤の故障で過去に2回来て、オンボロ洗濯機の華麗なる復活を遂げ、颯爽と帰っていくメチャメチャ頼もしい人。

その敏腕君が、30日にきた。

敏腕君は洗濯機をグルグル回したり、上から押して傾きを調べたりして、すぐに故障の原因をつきとめ、傾きをサッと治してくれた。

傾きは敏腕君により解決したのだが、どうやらブレーキが故障しているらしく、ブレーキが原因で動かなくなった時には、もう買い換えた方がいいと言われた。

敏腕君が言うには、洗濯機の寿命は3000回転位らしい。
なので年数にすると、7、8年だという。

うちの洗濯機は朝晩と回してるので、1日2回、そして今11年目である。

敏腕君は言う。

この子のノルマはもう達成してます。
コストパフォーマンスもかなりいいです・・・・と。

そうなのだ。

この洗濯機君は大病1つせず、毎日毎日黙々と仕事をこなしてくれた。

目立つ存在ではないが、影ながら和久井家と言うチームを支えてくれている、とても有能な選手なのだ。

ドラゴンズで言うなら荒木のような、ジャイアンツで言うなら篠塚のような存在なのだ。

かたやその洗濯機君を雇ってる株式会社和久井は今やブラック企業だ。

休む事を許さず、どんなに営業成績をあげても認める事なく、これもだ!これもだ!と突っ込まれる。

明らかに洗濯機君のキャパを越えていても、社長の和久井はそんなことおかまいなしに突っ込む。

晴れた日は、和久井社長のやる気が俄然上がるので、ズタボロになるまで働かされる。

勿論、洗濯機君には盆も正月もない。

実家に帰る事すら許されない、苛酷な現場なのだ。

11年目。

本当なら悠々自適な老後を送っていてもおかしくないのに、洗濯機君はいまだに現役だ。

そしてまだ修理をし、仕事をさせようとしている。骨の髄までしぼりとってやろうとするその体制は、どっからみてもブラック企業なのだ。

なので洗濯機君はきっとリストラしたのだ。

今回は結局傾きだけを治し、あとは様子見でという事で敏腕君は帰っていった。

洗濯機君のリストラ次第で買い替えも本当に考えなければならない。

でも

和久井社長は知っている。

掃除機君と、炊飯器君もリストラをしそうな事を。

何故なら、和久井社長の横暴ぶりはもう有名だからである。

社員を大切にしなかったツケが今いっぺんに襲ってきている・・・(т-т)




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