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スイスの絶景オッシネン湖を見てきた

ベルンから列車で2時間、Kandersteg駅から徒歩1時間 リフトで15分くらいの場所に位置する、Rodelbahn Oeschinenseeという美しい景色の山々に囲まれた、ターコイズ ブルーに輝く湖のある秘境を目指した。

ウィンターニットにジーパン、踵のすれたジャックパーセルでハイキングをスタートするも、15分ほど歩くと不安になってくる。通り過ぎていく人皆、きちんとトレッキングの服装しているからだ。それに、わたしは本当に体力に自信がない。Googleマップのレビューで見た、子どもも行ける簡単なハイキングコースという文を参考にしてきたのだけど、わたしの感覚ではこれは立派な登山道だった。永遠に続く急勾配をねりねりと歩かなければいけない地獄に半ば絶望する。景色を楽しめたのも30分、あとは自分のなかなか進まない足元を見ながら無心で進んだ。

何度か挫折しそうになったものの、なんとかして辿り着いたこの秘境は絶景だった。結果、2時間半くらいかかってしまった。

湖の辺りにはいくつかレストランがあり、テラスで食事している人たちや、スイスの国旗のと共に、アルプス山脈を背景に写真を撮り合う人たち。湖のそばの、点在する石に座っている人たち。子どもたちが湖のほとりで走り回っている。

とても、開放的で、心地がいい。

耳を澄ますと、鳥の鳴き声が聞こえる。透き通った湖に近付き、アルプス雪解け水を人差し指で触れてみると、とたんに身体に冷たさが走る。ぱっと手を離し、もう片方の手で人差し指を包む。息を吸うと、冷たく空気が入ってくる。紺碧の空に、アルプス山脈が映えている。空の青、大地の土、木々の緑、ひとつの同じ空間に、この星の根源的なもののみが存在していて、この特別な場所を作っている。
五感で自然を堪能できた、喜びの時間だった。

帰路につくと、声がかかる。英語を話す小説家志望の70歳スイスおじさんと下山をしながらお話して、チョコレートを食べた。

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