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車中泊とキャンピングカー

画像の車は日産AD-MAX。私の車で、2000年から2015年まで乗っていた。1500ccの小型車で、ごらんの格好の通り、自転車を積むにはまことに都合が良かった。ずいぶん探したのだが、運よくマニュアルで走行距離の少ない車を手に入れることができたのであった。

この車はランドナーをそのまま2台積んで2名乗車できるのはもちろんのこと、タンデムも車輪を外したりすることなく積み込めて、運転席とその後ろの後席で2名乗車することができた。

2台輪行状態にパッキングすれば、自転車4台と4名乗車も可能であったのだ。実にスペースユーティリティーに優れた車であった。欧州ではこのタイプの車は「フルゴネット」と呼ばれ、商用車として盛んに使われているが、わが国ではあまり一般的ではないのが不思議だ。

この車でも何回か車中泊したことがある。ただ、二人が寝るのにはやはりスペースに限界があるため、就寝時、旅の荷物は助手席と運転席に置くか、おききれない場合は外に出さなければならない。だからキャンプ場のようなところで車中泊するのにはいいが、道の駅のようなところでそうする場合は、車内に二人寝るのは困難であった。一人なら、ランドナーを中に積載したまま寝ることができたんだけどね。

木製の網戸やカーテンも自作して取り付けていた。車に網戸がないというのは、著しく不便なことなのであった。夏は高原でも網戸がなければ寝られたものではない。

ただこのAD-MAXの場合は、やはり車内空間は限られるので、車中泊定員は
最大でも2名、実際の運用上は1名が適正なキャパシティとなるだろう。キャンピングカーのカタログには、乗車定員と就寝定員が記載されているが、当然のことながら、就寝定員のほうが少ない人員になる。

軽四輪車をベースにしたキャンピングカーなども、実質的に無理のない就寝定員は1名ぐらいだろう。ハイエースなどをベースにしたバンコンバージョン(いわゆるバンコン)は実質2名、ステップワゴンをベースにしたうちのキャンピングカーも2名がほぼ限度だ。

3人以上が就寝できるキャンピングカーとなると、2トン車をベースに居住モジュールを架装したキャブコンバージョン(キャブコン)でないと実際には無理が生じるだろう。かように、キャンピングカーの実用上の定員は限られるのであった。

また、室内空間の高さも快適な車中泊の大きな要素となる。中で立つことのできないキャンピングカーは長時間滞在することが難しく、同様の構造のテントと同じように、外に生活空間が必要になってくる。

フロアの低いFFのベースカーの場合であっても、身長170cmくらいの人が中で立てる空間を確保すると、車の全高は2.4mぐらいになってしまう。この点、全高約2.3mで中に人の立てる空間を実現しているシトロエンHトラックは、極めて優れたパッケージングになっていると言える。

車の道楽にもいろいろあり、もっとも一般的なのは速い車に乗ることだが、旧い車を維持したり、いろいろと手を加えて改造したりすることもある。車の中で寝泊まりしながら旅をするのもそのひとつで、私の道楽はその範疇だ。

自転車でも旅行車が好きだったが、自動車でもそうなのである。だから、私にとっては、キャンピングカーもランドナーのようなものなのだ。



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