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連休後半出掛けたけど出掛けなかった話

5/2(木)の宵の口に、わが家の中古小型キャンピングカー、ピクニック・ゲリラ号にキャンプ道具やら食料やらをしこたま積み込んで出発した。しかし、まず向かうのはキャンプ場ではなく、かみさんの神奈川の実家である。

新東名も、御殿場からの東名も、走っている車の台数は多いが、幸い渋滞はなかった。22時頃にマンションの駐車場に無事到着。必要な荷物だけを持って階段を上り、とりあえずかみさんの実家で一服する。

実家には92歳になる元気な義母が一人で生活している。かみさんもときどき生活の手伝いに訪れて数日泊まっては来るが、このところしばらく行ってはいなかったので、義母に会ってほっとする。

すぐにもう深夜だ。私はキャンピングカーの中で眠るように支度を始める。かみさんの実家に眠るスペースがないわけじゃあないんだけど、駐車場に放置するのが少々心配なのである。いろいろと荷物は積みこんでいるし、なにしろ上背があるので車が目立つ。車上荒らしにあったらたまらない。

トイレに行ってから外に出て車の中に入る。カーテンを引き、フロントウインドウと左右のサイドウインドウに断熱カバーを付けて中が見えないようにする。それから着替えだ。中で立てるので、それほど着替えは苦にならない。寝袋とキャンプマットを寝台から下ろし、準備する。一人のときは基本、二階の寝台は使わない。

12時くらいにようよう準備ができて、就寝モードになる。しばらくすると眠りに落ち、気付いたら外はもう明るくなりかけていた。わざわざ駐車場で寝るなんて馬鹿げていると思う人も多いだろうが、慣れるとけっこう快適なのだ。少なくとも夜通しトラックがアイドリングしている道の駅や、走行音がうるさい高速のサービスエリアなんかで寝るよりずっといい。それにかみさんの実家のマンション駐車場は公園に隣接しているので、緑も爽やかだ。

5/3(金)の明け方に公園のトイレで用を足し、もうひと眠りしてから、LINEでかみさんに「起きたよ」と連絡する。寝袋とキャンプマットを畳む。

朝食はかみさんの実家でいただく。今日は一日かみさんの実家で過ごすのだ。私はかみさんの実家でけっこうゆるんでしまう性格なので、そう言っては何だが、自分の家にいるように気楽にさせてもらう。

昼前になり、今回はキャンプ道具を持ってきているので、駐車場となりの公園でチェアリングしながらピクニックしようと私が提案した。かみさんと義母は賛成してくれ、二人でお握りとからあげと玉子焼きなどを用意してくれた。義母は92歳でもまだちゃんと料理をするのであった。

外に出た。私は車の中から折り畳みチェア2脚などを出す。3人には足りないので、私は公園のベンチに座るつもりだったが、義母は展開した折り畳みチェアよりも、チェアを兼ねたカートのほうが座りやすいと言うので、そうしてもらった。

冒頭の画像のように、自作の木製テーブルを広げ、その上にフーズとお茶沸かし道具を載せた。ちょっと遠足みたいで楽しい。ふだんお握りは買い物に出たついでに車の中なんかで食べることが多いけど、やっぱり外でピクニックをしながら食べるのが似合っている。からあげと玉子焼きも美味しかった。

ピクニックの後は小休止したあと、かみさんと二人で買い物に出る。一人暮らしの義母の食料プラス、われわれが泊まらせてもらっているあいだの食料等の買い出しに出掛ける。車で行けば楽なのだが、キャンピングカーは就寝モードになっているので、これを走れる状態にするにはまた手間がかかる。それに今夜も車の中で眠るのだ。

スーパーマーケットとコープなどを巡って、約3.5kmくらいのウォークとなった。植木用の土を買うというミッションもあったのだが、到底持ちきれないのでそれは明日にしようということになった。

夕飯もかみさんの実家でいただく。コープで買って来たにぎり寿司であった。旨いものを食べてゆるんでいるうちにすぐに夜は更けてしまう。またしても駐車場車中泊である。

5/4(土)も、車から起き出してまず公園のトイレに向かう。鳥の鳴き声がする。シジュウカラとかカワラヒワとかが公園の木立にやってくるのであった。

遅い朝食を食べ終わると、もう昼が近い。スマホで本栖湖方面の情報を収集するが、友からの連絡で、富士五湖方面はかなり渋滞がひどいらしいのを知り、きょうの夕方出掛けるつもりでいたのに気分が萎える。本栖湖キャンプ場もかなり混んでいるらしい。どうしようかなあ。

そのうちにランチの時間になり、きょうは駅近くの天ぷらが美味しいリーズナブルな定食屋さんに行こうということになった。3人でゆっくりと歩いて辿り着いた定食屋さんは二階。昼の営業時間に間に合って良かった。美味しかった。天ぷらの揚げ方がからっとしていて上手だ。3人とも大満足であった。

食べ終わってはまたゆっくりと歩いてマンションに戻る。それから昨日の買い物の補足だ。往復約3kmのウォークである。まずはコープ、次いでドラッグストアに寄るつもりだった。いちばん重いのは、植木用の土である。これを運ぶためにガラゴロとカートバッグを私は引き摺ってゆく。

植木用の土はコープにもあったが、帰路の途中で寄るドラッグストアで買えばいいやと思ってコープでは買わなかった。ところがこれが大失敗。いざドラックストアまで行けば、急に閉店が決まったようで、すでに園芸コーナーからは土の袋が消えている。がび~ん。

それでまたガラゴロと情けなくカートバッグを引き摺って、0.5kmぐらいあるコープまでの道を戻り、コープで12ℓの土を買い求める。こんなでかい袋、カートバッグに入るのかと思っていたら、何とか入った。

しかしえらく重い。またしてもガラゴロと歩いてゆく。坂になるとますます大変だ。ハアハア。てな具合でかみさんの実家に辿り着いたらもう16時。スマホを見ると、まだ本栖湖方面の渋滞は続いている。

ここに至って、私はきょう出発するのは無理だという気分になってしまった。わざわざ渋滞にはまりに行くようなものだし、この時間ではキャンプ場に入ることもできない。幸い元気であるとはいえ、連休中に92歳の義母を一人にするのも気が引ける。そういうわけで、出発は先延ばしにすることにした。

夕飯はアジの干物などをいただいた。私はこれが大好物なのであるが、尿酸値を上げる作用のある食べ物なので、ふだんは我慢しているのである。たまにはいいかということで、隅から隅まで食べ尽した。

駐車場車中泊も3日目となると、なんだか監視員をやっているような気分にもなる。そのせいか、明け方に変な夢を見た。

5/5(日)も起きがけで公園のトイレに行く。車中泊スペースの条件の一つはトイレがあることだ。飲み水はペットボトルで何とかなる。

この日はあまり何をやっていたかの記憶がない。たぶんスマホをいじくって渋滞やキャンプ場の混み具合などを調べていたのだろう。途中でデータ量が残り少ないという通知が来て、慌ててかみさんの実家のWi-Fiに接続してみようとする。なんとか接続できた。

そういうわけで、この日も出発は取りやめ。しかしさすがに駐車場で寝るのは疲れてきたので、この日に限ってはマンションで寝床を用意してもらった。

5/6(月)の朝になってまたいろいろと考えるが、5/7(火)まで休みを延長してキャンプ場に泊まるにしても、天気が悪そうだ。ただ雨が降るだけならともかく、風も吹きそうだと予報で言っている。本栖湖キャンプ場は森の中にあるので、強風だと小枝の類が上から落ちてきて、車も傷む。

ええい、そうまでして出掛けても仕方があるまい。ということで、今回のキャンプツアーは中止。しかし暗くなってからキャンピングカーの大量の荷物を車から降ろして運ぶのは願い下げなので、早めに帰ることとする。そうはいってももう正午前だ。

そのちょっと前に三島にいる掛川の親友から連絡があり、早く帰られるなら県立美術館のテオ・ヤンセン展を見に行きませんかというお誘い。しかしちょっと時間的に難しそうなので、残念だが辞退する。

13時頃にかみさんの実家から出発する。東名、新東名とも車線はそれほど混んではいなかったものの、新東名のSAはいずれも混雑。本当はネオパーサ清水で「すた丼」を食べて帰りたかったものの、断念。

静岡市内に入り、「ゆで太郎」で昼食を食べ、買い物などして家に到着したら16時半。暗くなりかけた頃にキャンピングカーをガレージにしまった。そういうわけで、「出掛けたが出掛けなかった旅」になったのであった。


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