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豆の上で眠る

「週末スタバにこもって記事書きがち」でおなじみ、わきすけです。

今回は「豆の上で眠る」という本を読んでの感想を書いていきたいと思います。なんでこの本を選んだかって言うと、小説を読んでみたかったっていうのと、ブックオフで50円で売ってたからです。著者は、全く小説を読まない僕でも知ってる湊かなえさんです。

タイトルを読んだだけでは全く内容が分からないですよね。アンデルセン童話の「えんどうまめの上にねたおひさま」のストーリーがモチーフになっています。要約するとこんな感じです。

「本当のお姫さま」と結婚したい王子さまは、自分がお姫様と名乗るある一人の少女が本当のお姫様かどうか見極めるために、王子はベッドの上に一粒のえんどう豆を置き、その上に羽根布団を何枚も敷き、少女の反応を確かめました。翌朝、少女は布団の下に何か硬いものがあったのでよく眠れなかったと言い、その言葉を聞いた王子さまは「本当のお姫さま」だと確信し、2人はめでたく結婚します。

さて、「豆の上で眠る」の内容を超簡単に説明するとこんな感じです。(伝われ)
①小学1年生の時、主人公・結衣子(ゆいこ)の姉・万佑子(まゆこ)が失踪してしまう。
②必死に万佑子を探す。
③2年後、万佑子が発見されるも、2年前の姿とは少し違う。
④親は万佑子と言い張るも、妹や祖父母は、万佑子じゃないのではないかと疑う。
⑤それでも、親は絶対に万佑子だと言い張り、DNA鑑定を受けさせ、姉であることを証明する。
⑥大学生になるも、心のどこかで姉だと信じきれない結衣子はある罠をしかけ、真相を探る。
⑦万佑子から衝撃の事実を告げられる。

本ものって、何ですかー。

豆の上で眠る/湊かなえ

本書最後の1文です。
2人姉妹の姉が失踪して、2年後に戻ってきた姉がなんか違うんですよね。。
「なんか違う」っていうのは姉と言われれば姉の気がするし、そうじゃないって言われたらそうじゃない気がする。。結衣子は「お姉ちゃんってこんな顔だったっけ?」と思っていますが、母から子供の2年間は成長が激しいから多少顔のパーツも変わるみたいなこと言われて、姉なんだと自分を納得させます。が、それでも、所作から覚える違和感を消し去ることができない感じが描かれていて、もう。。。面白かったです。


-ネタバレ注意-

結論から言うと、帰還した姉は失踪する前のあの"姉"と違いました。
DNA的には戻ってきた姉が血のつながった姉なんですけど、結衣子が姉と思っていた2年前の姉は実は血がつながっておらず、出産時に病院ですり替えられた子だったんです。とはいえ、小1までずっと仲良く接してきた姉が血がつながっていなかったと言われても、納得いかないですよね。。
両親は万佑子が発見されたときにこの事実を知りましたが、結衣子や祖父母には話していませんでした。それを結衣子が後から知っての、「本ものって、何ですかー。」

結衣子が違和感の実態を知ったせいで、真実を見失ってしまいます。
深いですよね。姉と思っていた人物が実は生物的な姉ではなく、違和感を覚える姉が血のつながる姉。結衣子にとっての本ものの姉は、どっちなんでしょうね。
実際にこんなこと本当に起こりうるのかな?(笑)と思いながら読み進めていました。あなたが本ものと思っているものも実は隠された事実が潜んでいるかもしれませんね。なんてねー。

ぜひ読んでみてください。

今日はここまで。

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