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No.11【市民協働推進特別委員会(仮称)設置に向けた取り組みについて】

 選挙戦前後に新聞折り込み等で配布した(政策のチラシ)で述べた、「対馬を変える主役は市民!!」を実現させる環境整備を図るため、新たに標記特別委員会設置を構想し、議員各位や市民の皆様に以下の要領でご理解ご協力を要請中です。

《1.設立主旨》
 議会の役割は市民の多様な価値観を反映させることであり、またそれが可能なことが議会の最大の強みです。
 市民の多様な価値観を反映させるために議会には、いわば『市民参加、参画、協働の装置』としての役割を果たすことが求められています。

 対馬市の最高規範である対馬市民基本条例第1条(目的)には以下の条文が記載されています。

「(前略)市民参画及び協働による自治の基本的事項を定めることにより、地域の自主性及び自立を目指した市民主体のまちづくりの実現を目的とする。」

 また、同条例第5条(まちづくりの基本原則)では、市民、議会及び行政がまちづくりに取り組む上での3大原則が以下の通り定められています。

(1)情報共有の原則
(2)市民参画の原則
(3)協働の原則

 以下に記す背景・現状を鑑み、対馬市市民基本条例に則り「まちづくり基本原則」を実践し、「市民主体のまちづくり」の実現を対馬市議会として、後押し・下支えをするため【市民協働推進特別委員会(仮称)】の設置を提言するものです。


《2.設立の背景・現状》
 全国的な行政職員の削減や財政状況の悪化が進む中で、行政が主体となって提供する公共住民サービスの維持が質・量ともに難しくなって久しい。行政にとって代わる民間組織や仕組みが求められるようになり、〈新しい公共〉という考え方が生まれています。

 本来、住民サービスは個人・地域のニーズを汲み取り、その多様なニーズに応えるサービスが必要なはずです。しかし、対馬市の公的福祉をはじめとする公共住民サービスは広い島をひと括りにした議論が中心となっているのが現状です。
 
 ところで、「質の高い」住民サービスとは、どのようなサービスなのでしょうか。それは、「高度な」サービスであるかどうかではなく、「サービス受給者に適した」、かつ「サービス受給者が望む」サービスではないでしょうか。

 とかく、対馬市民の多くは何かにつけて『本土並み』を求めたがる気質があるようです。しかし、『本土並み』が本当に対馬に、またその受給者に合った福祉サービスであるのかを、しっかり見極める必要があると思われます。

 対馬において「質の高い」住民サービスを提供するためには、島の福祉における様々な課題を一括りに集約して検討するのではなく、個人のニーズ把握から始めることに主眼を変えるべきだと思われます。そうすることで地域の共通のニーズや課題が浮き彫りとなり、各地の実態から自ずと対馬で共通のニーズや課題が見えてくるはずです。

 そのためには、課題の現場にいらっしゃる市民の生の声を傾聴する場を設けることから始める必要があります。ここで言う現場とは、サービス提供者側のみならず受給者側ももちろん含みます。市民個別の、あるいはそれぞれの地域ならではの課題を汲み取るためには、各種会合を市全体ではなく各地域をメインとするやり方に変更することが望ましいと言えます。

 ところで、財部市政時代に取り組んだ「地域マネージャー制度」の理念について、私は高く評価して参りましたし、現在もその理念への高い評価は変わりません。しかし、前市長は「地域マネージャーは単なる御用聞きではない」とか、ホテルのコンシェルジュ(利用者が満足できるサービスを提供できるプロフェッショナル)に準えて、「対馬市役所の職員には対馬コンシェルジュを目指させる」といういきなり高い理想を掲げてしまい、制度が円滑に稼働できなかったと私は分析しています。まずは、「ご用(お上の方を向くのではなく市民の方を向く)聴き(注意深くきく)」からでもよいので、市民が行政や議員に気軽に相談できる環境づくりに尽力し、集まった相談内容に優先順位をつけて、課題解決につなげていくことが重要だと思います。小さくてもよいから、仲間を作って行政や議会に要望すれば、課題解決につながるとの成功体験を積み重ねることで、行政や議会と市民の信頼関係が生まれて、課題解決への好循環が発生すると、私は信じています。

 このように多くの市民から積極的にご意見ご要望をお聴きすべく、『市民協働推進特別委員会』の設置を議会に諮るものです。


《3.当該特別委員会の取り扱う内容(範疇)》
 市民が「まちづくり」に関わる手法は、「参加・参画・協働」の3段階に分類されると言われています。わかり易く表現すると、市民がイベント等に当日出席する「参加」。イベント等の企画段階から市民が関わる「参画」。市民団体等が行政と権限と責任を対等に担うかたちの「協働」です。いわば、「協働」は市民がまちづくりに関わる最終段階とも言えます。幅広いまちづくりの分野ごとに「協働」により課題解決にあたる環境づくりを、市議会がサポートするため、対馬市市民基本条例の「まちづくり3大原則」の実践に必要となる事案を当委員会の範疇とします。(予算を伴う事案は常任委員会でしか取り扱えないため、実質的内容は各常任委員会の所管とし、複数の委員会にまたがる事案を当該特別委員会の範疇にするなど、所管については臨機応変に対応すべきだと思われます。)


《4.具体的事案(例=案)》
(1)情報共有の原則
 まちづくりに関する情報をお互いに共有する。(第22条、第23条も参照)
例:議員への開示と同時に、議案の市ホームページ公開
 第6条-2 「市民は市政に関する情報を知る権利を有する」に基づき、議会開会前に議案を市民に公開することで、議員も市民の意見・要望を聴取し議会に臨みやすくなり、市政に対する市民の声が従来より格段に反映されることが期待できる。


(2)市民参画の原則
 市民参画の機会を保障し、市政運営を行なうこと。
例:①議会へ一般市民を積極的に参考人として招致②政策サポーター制度の導入
 学識経験者のみならず、市の抱える課題に直面している当事者たる市民に、直接本会議や委員会で提案頂ける開かれた議会となるよう議会自ら改革を推進する。


(3)協働の原則
 協働によりまちづくりの課題解決に当たること。
 対馬市が抱える課題に直面し自ら進んで(当事者意識を持って)課題解決に当たろうとする市民(団体)が、主役となって取り組むことが課題解決への最善策と認識し、多くの分野で市民協働が実践されるよう、議会及び各議員は使命を負うものとする。
例:①磯焼け対策②有害鳥獣対策③子育て支援④地域包括ケアの充実、e.t.c.

 上記の内容は、対馬市議会の最高規範たる対馬市議会基本条例(主に第4章)にも謳われており、そのことからも議会及び各議員は、「市民協働」を推進する責任があることを常に意識して、日々活動に邁進することが求められていることを忘れてはならない。

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