今の音楽は絵画的?

随分昔に宅録という言葉が生まれ、今ではPCが一台あれば楽曲制作ができる。
音楽を一人で作ることが可能になって大分経ちました。
音楽は当然のことながら、音が鳴って振動として耳や、あるいは体に届くことで初めて成立します。大昔、例えばオーケストラやアンサンブルの作品は、演奏家に音を奏でてもらえなければ、作曲家は頭の中で鳴っていた自分の作品を、聴衆はその作曲家の新作を聴くことは叶わなかったわけです。
生のオーケストラに演奏してもらうことは無理でも、自分一人でPCなどを使って音を作ることができるようになったということは、画家がパレットにある様々な色の絵具を使ってキャンバスに何かを描くことと近しいように思います。

経験的に思うことですが、音楽は一人で奏でるよりは、例えば自分以外の誰かがいたときに、その時間の密度は濃くなります。その誰かとは、共演者や聴衆の存在です(もちろん、その相手によって結果の良し悪しは違いますが)。

二人以上が集まることで何かが生まれる音楽、一人で向き合うからこそ作ることができる音楽、両方とも音楽と呼ばれますが、大分違うようにも思います。

10月12日〜15日に目黒クラスカ8thギャラリーで開催される『water “composition”』では、書家の田中逸齋さんの作品を主に展示しますが、僕も展示用の作品を発表します。そういったことは初めてのことです。音を使った作品です。同時に展示空間を音で演出するという試みも行います。
その他、書家・ヴァイオリニスト・鍵盤奏者(自分です)の三者によるパフォーマンスを行います。また、ソロライブも予定していますが、sの『二人以上が集まることで何かが生まれる音楽、一人で向き合うからこそ作ることができる音楽作品』をお届けしたいと思います。

本日の音は、展示とは関係ありませんが、良かったら聴いてください。アンビエント系のインスト曲です。


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