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ウクライナ侵攻とバレエ

ウクライナ侵攻


2022年2月、ロシアがウクライナへの侵攻を始めました。その唐突なニュースは世界中を驚かせました。このとき、ウクライナにいたバレエダンサー、またそのたまごたちは、どのような行動に迫られたのでしょうか。

鈴木希々花さんへのインタビュー


2022年3月23日、ウクライナへのロシア軍侵攻の中でキエフに留学しており、帰国を余儀なくされたバレエダンサーのひとり、鈴木希々花さんにインタビューをさせていただきました。

日本大使館から連絡のあった1週間後、鈴木さんは飛行機に乗り日本に帰国したそうです。当初は一時帰国のつもりで、多くの荷物をウクライナに残していったといいます。しかし休校になったバレエ学校から連絡はなく、卒業学年だった鈴木さんも、卒業資格を取ることは諦めたといいます。

今後はウクライナに戻れないことを覚悟の上で、高卒認定試験を受けるのだと鈴木さんは教えてくださいました。しかしバレエは辞めることなく、先生になり、教えの側からでも関わっていきたいそうです。この決断には、ウクライナの食べ物が体に合わなかったり、怪我を経て自分の体の限界値を知ったことなどが背景にあることを教えてくださいました。また、大学に行くことができたら、ロシア語を学び、通訳したいとおっしゃっていました。このように、自分とは全く関係のない二国間関係に振り回されてもなお強く生きる鈴木さんに、私たち2人も大変感銘を受けました。

鈴木さんは留学中に仲良くなった友人が未だにウクライナ国内にいるからこそ、この侵攻に対して危機感を感じ、「自分ごと」として感じられたとお話ししていました。イランやアフガニスタンで戦争があってメディアで報じられても、自分とは何かとても遠いものだと感じていたといいます。このように、「当事者意識を持つ」事はそう簡単なことではありませんが、こうして、実際にお話を伺い、想像力を働かせ、今世界で起こっている事に私たちがどう反応し、行動していくか考えるきっかけとなりました。

終わりに


メディアで散々目にするウクライナ情勢ですが、どこか自分とは離れた地域で起こっている問題のようにも感じてしまうかもしれません。最近では、ウクライナ外務省が出した動画の「感謝をする国一覧」の中に日本の名前がなかったとして抗議すべきとの声も挙がっています。しかし、実際に今私たちがすべきは「感謝されるような行動」ではなく、私たちも国際秩序を作り出す一個人として、当事者として、支援活動に取り組むことではないでしょうか。


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