にゃんだこいつは/野良猫狂想曲③
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「猫の爪研ぎ事件」以降は何事もなく平穏で、バイク通勤や平屋暮らしの日常を存分に楽しむ日々が続いた。
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国道1号線は毎朝当然のように渋滞しているが、バイクはすり抜けが出来るのでそこは便利。あの手この手ですり抜けてはトップを狙う。なんのトップだ?横浜〜川崎間の信号では車の停車ラインの先にバイクだけの停車スペースが用意されているので、青信号になると多いときには10台以上のバイクが一斉にスタートするものだから、まるでレースだ、抜いたり抜かれたりの競い合いだ。まったく朝から忙しい。しかし楽しい。
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おかげで半年も経たないで、あっという間に免停になってしまった。朝の1号線では白バイがけっこうな頻度でバイクを引っ捕らえているのだ。道の端で白バイに止められている奴を見かけるのは日常の一コマでもある。今日はあいつ、明日はおれか、、。
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そんな風に楽しく(?)日々を送っていたのだが、また一つ問題が起きた。猫である。猫が我が家の庭にうんこをするのである。猫のうんちは臭い。臭さで表すと
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草食動物<犬<猫<人間
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という形になる。なにか猫のうんこは独特の臭さがある。そんな臭いうんちを庭に置いていくのである。非常に頭にくる。実際にうんこをしている現場を見かけた際には雑巾を投げつけたり、水なんかをかけて追い払うのだが、いかんせん家にいない時間の方が多い。
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気付くと毎回同じ場所にうんこをしているので、試しに部屋の隅に置いてあった六角形の箱に入ったインドのお香をそこに挿してみたら、お香の匂いが嫌だったのか、しなくなった。
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「はっはっは、ざまあみろ。所詮、猫は猫だね」
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なんて喜んでいたら、何日かしたらお香から少し離れたところにうんちがしてあった。
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きー!!!頭にきたので、そこにもお香を挿した。そうしたら、また少し離れたところにうんちをする。
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そんな事を繰り返していて、気付くとうちの庭には何十本ものお香がさしてある非常に気持ちの悪い庭になってしまった。
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またもおれを悩ます猫のやつら。
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2つ隣の老夫婦の庭でくつろぎ、遊び、食事をして、うんちの時だけうちにやってくる猫達。
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それをkawaiiと思える訳がない!!
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ペットボトルを置いてみたり、チクチクするシートを置いてみたり、色々試したりしてもいまいち効果がでない。猫たちは執拗にうんこをしにくる。まるでギャングだ。猫ギャングだ。
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そんなある日、珍しく母猫が仔猫を連れてうちに来た。何をするのかとひっそりと見ていたら、母猫は仔猫の前で庭にうんこをし始めた。
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親が子にトイレの場所を教えているのである。そしてそれはぼくの家の庭である。
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慌てて雑巾を投げつけたが、親子はさっさと逃げていった。
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なんということだろう。うちの庭は猫にはトイレと認識されてしまっているのだ。そして親が子にまで教えているなんて、、、
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これは、にゃんとかしなくては、、、、
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今でも、街中を歩いていて家中をペットボトルの要塞やチクチクシートで守り固めている家なんかをみかけると、この頃を思いだす。周りからみると心が狭くキ○ガイじみてみえるかもしれないけど、本人達は必死なんだと、つくづく思う。
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