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Broken My 鎖骨(前)

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 湘南に住んでいた頃、スケボーに乗って海に遊びに行った帰り道、国道下のトンネル内を抜ける際に、ここは坂が急だしスケボーから降りようと思ったのだが、すぐ横でワイワイBBQをしている団体がいて、その時、何故か降りたら負けると思ってしまった。Go!!おれGo!!そして乗ったまま急な坂道へ突入。もの凄いスピード感。

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(おおおお。い、いかん。これは死ぬ)

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さっさと転ぼうと思った目線の先には、逆光に照らし出される親子連れ。Noooo!!ここで俺だけ脱出したら高速になったスケボーの板だけが、あの親子にバシャコーン!!と激突してしまう。あと少しで坂の終点だ。我慢しよう。そう思った瞬間

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「ガスッ!!」

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坂の終点付近には海の砂がたっぷりとたまっており、そこでスケボーの板だけが、急停止。勢いにのった俺だけが慣性の法則に従い宙を舞う。スローモーションの景色の中、驚いた表情の親子の顔だけが見えた。ふっ、幸せにな。母ちゃん、大事にしろよ。

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. 「ぱきっ」

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鎖骨から着地。死ぬほど痛い。死んだかも。だんだん視界も狭くなってくる。これがブラックアウトなのか。

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「だ、大丈夫ですか?」

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いきなりマンガみたいに宙を舞って飛んできた男に狼狽しながらもお母さんが心配そうに声をかけてくれたが、とにかく痛い。子供にいたってはひいてる。でもここで気絶したら妻とその友達に笑われる。飲みの席の度にその話で笑われる。.

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朦朧とする意識の中、スケボーを拾いネジ式のポーズでゾンビのように坂を登る。なんとか登りきり、木陰でうずくまっていると何も知らない妻とその友達に発見された。

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「どーしたの!?ちびまる子ちゃんのマンガみたいに顔に縦線入ってるけど」

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「なんか、ケンちゃんの周りだけ景色が真っ暗なんだけどー」

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く、笑うがいい。そんな事よりこれはマジでヤバイから自転車貸して。スケボーいらない。と自転車を奪い取り一刻も早く家路に着きたい。横になりたい。ヘコヘコ自転車を漕いで帰ろうとすると

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「ワーッショイ!!ワーッショイ!!」

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何故、こんな日に御神輿を担ぐのだ地元の人達よ。

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「通して下さい、すいません通して下さい」

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とか細い声でぶつかられながらなんとか渡りきった。こんな事なら自転車なんか持ってこなければよかった。余計なお荷物だ。

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ヘロヘロの状態で家に帰り着き、畳で横になりながら、後から帰ってきた妻たちが楽しそうにお酒を飲む声をBGMに、一人寂しく天井の木目を眺める。

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. 「あの木目、カタツムリみたいだな。ふふふ」

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しかし、悪い事は重なるもので、この後まさかこれ以上の事が起こるとは本人は知るよしもなかった。

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to be continued.


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