パワハラそもそも起きない編①認識の再確認|George’s Approach 2020 2nd-10
変容の時代に生きるビジネスパーソンに向けて、これからの時代にどうアプローチするか、具体的な方法やその背景にある考え方をお伝えする動画シリーズ「George’s Approach 2020」より、2ndシーズン「パワハラしない!させない!そもそも起きない!」の「パワハラそもそも起きない編①認識の再確認」をテーマに、代表取締役社長・島村仗志(ジョージ)のアプローチを、ナビゲーター・岡本直子(なおちゃん)が聴きます。
※本記事内に登場する人物の所属・役職等は動画撮影当時のものです。
~本日のテーマ~
岡本:今日のテーマはGeorge's Approach 2020 2ndシーズン「パワハラしない!させない!そもそも起きない!」シリーズの「そもそも起きない編①認識の再確認」です。
岡本:ジョージから今日の概要説明をお願いします。
島村:ここまでの「しない編」「させない編」*1をご覧頂き、上司と部下、それぞれの立ち位置から意識的に取り組んでいただければ、その上司と部下の一対一の局面では、パワハラをしない、させない確率は格段に高まると思います。
しかし、お二人が身を置いている組織の風土や文化そのものが、パワハラの温床になってしまっている可能性もあり得るので、この「そもそも起きない編」では、組織全体を俯瞰し得る経営者または部門長の方々に向けて、「パワハラそもそも起きない編」として全2回で私のアプローチをお伝えしていきたいと思います。
~3つのポイント~
島村:「そもそも起きない編」のうち、今日は1回目ということで、そもそもパワハラが起きない組織風土を育んでいく上でスタート地点となり得る、「基本的な認識の再確認」をしておきたいと思います。今回もポイント3つでいきたいと思います。
最初のポイントは、ハラスメントは連鎖する、ということの再確認です。
部門長や経営者であるあなたの周りに、ハラスメント情報やその兆候が入ってきた時には、それはその上司と部下という、特定の個人の問題だととらえるのではなく、ある連鎖の一部がサインとして入ってきた、というふうに観ていただく方が、自然かなと思います。
つまり、綿々とハラスメントが連鎖していく過程の中の一局面に過ぎない、というふうに観た方が、より大きなトラブルを未然に防止できる可能性が高まる。その上でさらに、その連鎖の一部、もしくは大きな要因に、ご自身がなっている可能性もあり得る。ぜひトップとして、ご自身のあり方を見直す機会として、とらえて欲しい。そんなふうに思っています。
岡本:トップの方も、ご自分自身のあり方を見直す機会が必要だ、ということですね。何故ならば、ハラスメントは連鎖するから…。
島村:局地的、散発的に起こると観るよりは、連鎖の過程の中の一部だ、ととらえた方がいい。そういう視点のお届けでした。
次に2つ目のポイントです。これも当たり前のことなのですが、想定外の事態は突然起きるんですね。だから想定外なんだ、という突っ込みは簡単に出来るんですが。だから、常に現場の空気に、経営者、部門長として、トップとして、アンテナを立てておいていただきたい。もしそれが、あまりに守備範囲が広くて無理だということであれば、何らかの些細な空気をキャッチできる仕組みを構築して、インストールしておくことが経営者や部門長に求められることかと思います。
3点目は、これもこのGeorge's Approachでは何回かお伝えしていますが、幸せな社員の生産性は高いということです。幸せな社員は、そうでない社員よりも、生産性が1.3倍高いというのがデータで出ています。
岡本:そして、創造性は、3倍高いのですね。
島村:そう、幸せな社員の生産性、創造性は高いんです。パワハラの多くが、もともとは、生産性の向上を願ってなされていると思うんですよね。だけど実は、パワハラ的にアプローチするのではなく、一人ひとりの幸せを願って、接している方が生産性が高くなる。そのことは、スタート地点としての基本的な認識ですが、この機会に改めて皆さんに共有しておきたいと思います。
~ハラスメントは連鎖する~
岡本:1つ聞いてみたいなと思ったのは、ハラスメントは連鎖するということです。
トップである、その方ご自身のあり方も見直しましょうということなんですが、多くのトップの方は、会社のためと思って、いろいろ動いていらっしゃると思うんですね。
だから、自分を見直せと言われたところで、自分は何もやっていないと思ってしまうのではないか。連鎖するというのは、一見、パワハラと思えないようなことも影響するということでしょうか?
トップの方ご自身は、これをどうやって振り返ったらいいのでしょうか?
島村:いい突っ込みをありがとう。2つのことを、今、言ってもらっています。
1つ目は、そもそも自覚的にパワハラをしている人はほぼいない、ということは「しない編」で触れました。ほとんどの場合、パワハラをやっている人は無自覚であるということは、経営者や部門長の方にも当てはまるので、その可能性は大いにあるんですよね。
だからこそ、自分のあり方が、ご自身の部下、つまりそのさらに部下にとっては上司の方のパワハラに繋がってはいないか、その連鎖の構造の一部に自分自身がなってはいないか、という視点をぜひ持っていてほしい。経営者や部門長の方は自覚がないのは当然だし、そんなつもりは全くないと思うんですけど、でも、その可能性があり得るということをこの動画からキャッチしていただければ、ありがたい。
2つ目に、これも以前、「しない編」で、パワハラをやっているかもしれない上司の方向けにお伝えしたことなのですが、その上司の方は、経営者や部門長に対しては、ものすごく繋がり感を持っている。経営者や部門長の役に立ちたい、サポートしたいという願いから、その上司は、部下に対して、パワハラ的なふるまいをしてしまっているかもしれない。
ということは、実は間接的に、経営者であるあなた自身が、その上司をパワハラ行動に差し向けている可能性がある。それが、突っ込んでくれた2つ目のポイントです。
だから、パワハラをやっているかもしれない上司は、良かれと思って、本当に健気な想いでやっている可能性もあるんですね。経営者や部門長のためにとか、期待に応えたいと願っている想いの表れが、行動に出ているかもしれない。
岡本:そういう場合だと、経営者または部門長と、その上司との関係だけを見ると、すごく良好かもしれないので、その経営者なり部門長の方は、パワハラに気づきにくいんじゃないかなと思いますね。
島村:だから大切なのは、経営者や部門長であるあなたが、本当の心の奥で何を願っているかということを、しっかりとその上司の方に伝えておく必要がある。そこの意見交換、対話というか、何が大切なのかをしっかりと話し合っておく、そのプロセスがとても大事なんだよね。
経営者や部門長であるあなた自身は、恐らくパワハラをしてまで成績を上げようとは思っていないはずです。だけど、成績を上げることが、あなたにとって最優先になっているなら、腹心の方はその意を汲んで、自分の部下に辛く当たっている可能性が大いにあり得る。
だから、その可能性に想いを馳せ、何も起きていなければ全く問題ないが、その可能性があることに自覚的でありましょう、ということ。そのきっかけを、この動画がお届けできたらいいなと思います。
~何のために経営しているのか?~
岡本:もう一つ聞いてみたいんですが、そうなってくると、上司が、そのまた上司である経営者や部門長に貢献したい想いからパワハラしてしまうのを防ぐためには、経営者や部門長はどのようなあり方でいるといいのでしょうか?
島村:いい問いだね。僕自身も修行中というか、いろんなチャレンジを重ねている途中なんだけど、僕のアプローチをお伝えしておくと、「ここで大切なことは…」ということを常に、繋がりのある人たちと、しっかりと話し合って、日頃から意見交換というか、共有しておくことが大切かなと思います。
「ここで大切なこと」が、やっぱり数字を上げることなのか、それとも、関係者一同の良い状態、幸せを目的としてこの事業をやっているのか、そのあたりの本質的なことについて、経営者や部門長が、ちゃんと自分の直属の部下たちと共有しておくことが大事。
さっきも言いましたが、幸せな方が生産性が高いので、いたずらに管理をして、数字を上げるためにお尻を叩き続ける、恒常的に、管理・統制の世界で、何とかしないといけないことが続いていくと、パワハラ的なふるまいに繋がってくることが大いにあり得る。大前提として、何のために経営しているのか、ということに対するアラインが経営者や部門長の方と直属の部下の間でしっかりなされておくと、最悪の事態を避け得る組織風土になるのではないかと思います。
「みんな(実は)貢献したい」という人間観でいきましょう、というのは、このGeorge's Approachで、一貫して流れているテーマなんですけど、誰も悪気はないんですよ。そのはずなんです。実際、誰も悪気はないんだけど、それでも不測の事態、残念なことが起こり得る。そのことを経営者や部門長であるあなたには、ぜひ、自覚的であってほしいなと思いますね。
岡本:ありがとうございます。
~フォローアップ・クエスチョン~
岡本:今日は「パワハラそもそも起きない編①認識の再確認」についてお届けしました。一番最後に、フォローアップ・クエスチョンをお出しします。このクエスチョンは今日お伝えしたことをお試しいただく際のヒントとしてご活用ください。試してみてのご意見ご感想やリクエスト等もぜひYouTubeのコメント欄へお寄せください。
島村・岡本:ありがとうございました!
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