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ねじれも期待も緊張も手放すのだ  371

10代の頃のわたしにはジンクスがあった

わたしが応援した方が負ける…というジンクスが。


こうやって文字にしてみると…なんだ?このネガティブな一文は…と我ながら引いてしまうけれど…仕方ない。
以前のわたしはそう思っていたし、かなりの確率でそうなっていた。


でね、特に興味のないプロ野球の中継なんかを眺めながら、そのチカラを試すわけです。
「巨人頑張れ!」って…。

ワルい…ホントにワルい…
というか、なんの足しにもならない…
特に地元びいきでもないし、対戦相手を応援してるわけでもないのに…
そして、口もココロも「何言ってんだ」みたいなチグハグ気持ちの悪い状態なのに…
って仕方ない、自分で選んでやってるんだから気持ち悪さは自業自得なのだけど。

自分の好みや選択への自信のなさなのか
強い方がいい、みたいなことへの反発か
勝って欲しい方が負けた時の言い訳保険か
はたまた念の実験か

いずれにしても、そうしているときはなんだか変な「揺れ」や「ゆらぎ」があったように思う。
ストレートに放ってないってことなのか、ホントに空間が揺らいだのか定かじゃないけど。

で、気持ち悪いわりにいつからか全く当たらないというか、関係なくなってきた。
何がきっかけだったかわからないのだけど、自然に「あぁ、関係なくなってるんだ」と感じた時があって、そこからは強く思うとか、強すぎる気持ちを薄めるとか…そんな感じくらいで、逆を取りに行く!みたいな面倒なことをしなくなった。



なんでこんなよくわかんないことを思い出したかといえば…。

今年は梅干しを2回に分けてというか、第一弾の梅を漬けてから1週間ほど経って、たまたま収穫できた第一弾の三分の一ほどの量を追いかけて漬け始めたのだけど。

わたしとしては、本命というか真剣というか、真正面から眺めていたのは第一弾の方で。
するつもりのなかった第二弾の梅は、傷も多かったし大きさもバラバラだったからなんというか、失礼ながら期待せず、半ば遊び半分でスタートした。

そうしたら…
後からつけ始めた梅の美しくなり方ったらハンパないのだ。


黄色く赤くなっていく追熟具合といい
上がってくる梅酢のほんのりピンク色のきれいさといい
本当にいい。

なんなら、1週間ほど後からスタートしたのに、すでに第一弾を追い抜いたのでは?というほどの安定感で、正直驚いている。


で、冒頭のジンクスを思い出したのだ。
どっちを応援してるとかの話じゃないから、厳密には同じことではないのだけれど…。

わたし、第一弾は何かがねじれていたのかも…なんて点検を始めてみる。

期待しすぎた?…そりゃしてないなんて言ったらウソになるよ…。
うまく進めなきゃって力んだ?緊張した?…そりゃしてないなんて言ったらこれもウソになる…。
去年の経験を持ち出し…た?…持ち出してないって言ったら…

って、全部思い当たる…。

でも、それがない方がいいって頭では理解してるけど…あるのよ、今のわたしには…。
で、それを受け入れることしか今できることはないよねぇ…なんて思ったりする。


これから土用干しまでにどうなるかわかんないけど、できるだけ期待も緊張も雨に濡れた傘から雨粒を振り払うかのようにブルブルブルっとふるい落としていきたいもんだなんて思いながら、体をゆさゆさゆらしている。





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