〜7歳までに育つ4つの感覚 その2『生命感覚』 Vo.3

~赤ちゃんと快・不快を感じる力~

シュタイナーの考察の中に、『生まれてすぐの赤ちゃんは、自分との体とケンカをしているように見える』というのがあります。面白いですね。


赤ちゃんは、自分の体をもてあまし、手こずっている感じがすると言います。これをケンカに例えているのですね。


やがて生まれてから数週間もすれば、落ち着いて自分の指をかざしたりしゃぶったりして静かに過ごすことも増えてきます。



これは、自分の周辺にとても満足してる状態で、こうして地上の生活に適応していくのです。
自分の取り巻く環境が、『不快』から『快』に変化する中で、安心していられる場所へと変化したのかもしれ ません。
繰り返し襲ってくる空腹や窮屈さにもあまり大騒ぎせずに(泣かないで)過ごすようになっていきます。

生命感覚が、母親を通して育っていく過程で、自分の指や手で、一人遊びもできるようになっていきます。



 



~幼少期に『不快』を感じることの大切さ~

幼児期に生命感覚が育っていないと、学童期になっても集中して勉強したり、遊んだりすることができません。

反対に言うと、落ち着いて集中する時間が増えていくことは、生命感覚が育っている証でもあるのです。

生命感覚は、日常の中で『快』と『不快』を行き来することで育っていきます。



今は、空腹感を初め、『不快』を感じにくい時代だと言われています。

幼少期に食べるものが無く、空腹を抱えて過ごしたという方もほとんどいないでしょう。

毎日の食卓に好きなものが並び、おやつも好きなものを好きな 時間に与えられているというお子さんもいるかもしれません。


このような生活の中では、たくさん遊んだ後にお腹が空いてから、温かなご飯が用意されていて空腹を満たす喜びや、普段の食事はシンプルに、でもお誕生日やクリスマスなどの特別な日(祭)日には好きなものが食べられるという喜びを感じることも少なくなっています。


この、空腹という『不快』を体験することもまた、生涯を通じてその子の土台となり、精神的・肉体的な健康を 作る基礎となっていくのです。 

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