〜7歳までに育つ4つの感覚 その1『触覚』について〜⑤
~子どもの絵から見る『触覚』の発達~
1歳ごろから、色鉛筆やクレヨンで何かを描く真似をするお子さんも多いかと思います。この頃は、絵を描いているというより、運動をしている状態です。
3歳頃になると◯が描けるようになるのですが、この、◯というのは実はとても描くのが難しいのです。
◯を描こうとすると、線だけだったものを『閉じる』という行為が必要です。運動感覚がしっかりと育っていないと、実は◯は描けないのです。
そのうち、この○にアンテナのように触手が伸びていき、やがて◯に頭や手、指をつけて描くようになります。これはより強い触覚体験の現れでもあります。
ぜひ、お子さんが描く絵をじっくりと見てあげてくださいね。
わかやまシュタイナー学園 「ほしの子」での遊び
~遊びを通して『触覚』が自然に育つ環境づくり~
『ほしの子』の園舎にある遊びのお部屋には、さまざまな素材の
異なる質感のものが並んでいます。
どんぐり、くるみ、とちの実などのいろんな木の実、シルク、コットン、
羊毛などの布、貝殻、石・・・自然の奏でる素材は、同じ種類
であってもどれひとつ同じものはありません。
豊かな自然が育んだ、異なる感触を持つものに、毎日毎日、子どもたちは遊びを通して触れていきます。
また、毎日のおやつや、週に1回(金曜日)の給食は、先生と子どもたちで一緒に作ります。
素材を切る音、素材の質感、素材の重さなど、肌で触れて感じて自分に吸収していきます。
お外では、砂遊び。サラサラの砂に、水を加えるとべっとりとして、それが乾くとパリパリになり剥がれるような感じを楽しみます。
遊んだ後は、手を洗い、オイルを塗ります。これは、手をケアするという意味もありますが、手を認識させて、手と指の分化を促すことにもつながります。
幼稚園で過ごす当たり前の毎日に、何ひとつ同じものがないということを、子どもたちはごく自然に感じとり、その体験をそれぞれの物語として大切に心と体に染み込ませていくのです。
〜続く〜
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