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KDPでアカウント停止されたけど、復活の呪文で蘇った話

1.KDPって何?


 KDPはキンドルダイレクトパプリッシングの略で、電子書籍の直接販売です。
 私は版権切れの小説をKDPして、アマゾンで電子書籍として配信しています。
 1997年にライターデビューしてから27年、文筆業者として働いてきました。なにしろキャリアが長いので、地方文学賞を受賞してそれっきりとか、雑誌掲載の短編とか、依頼されて書いたけど出版社が倒産して本にならなかった小説とか、山ほどあるのです。

2.出版契約は解除している。


 絶版書籍で電子書籍にもならなかった小説でも、契約は自動継続なので、出版権はゾンビのように生き残り出版社のものになっています。私は書面を送って法的な手続きを取り、出版権を消滅させています。
 解除の方法についてはこちら。出版契約を解除するには|わかつきひかる (note.com)

3.去年の売上げ


 去年の2月から始めて、毎月2万~6万円程度の振込があり、一年間で総額50万円ほどになりました。過去作だし、ゾンビ小説だし、今の売れ線と違うし、過去に売れたとはいえ、今はそれほど売れない作家でしかない。
 あんまり儲からないだろうけど、過去作が生き返ればいいやと思っていたのでびっくりしました。

4.なぜ儲かったのか?


 キンドルだけで配信を選ぶと、7割の報酬があります。700円の本が一冊ダウンロードされると、配信コストと税金を引かれて445円の儲けになります。
 また、読み放題無料に登録しているので、無料なら読もうと思う人がいらっしゃるようです。読み放題の方が読んでくださると、原稿一ページごとに0.4円の儲けになります。
 週末に行う無料セールも効果があるのかもしれません。

4.ブロックされた!


 すっかりうれしくなった私は、わかつきひかる名義以外で出版した小説で、表紙がいやだなと思っていた小説をKDPしました。当時はレーベルごとにペンネームを変えなくてはいけなくて嫌だったんです。
 ところが、いつもなら、数時間で配信されるのに、一日経っても配信されない。おかしいなぁと思って見ていたら、「レビュー中(審査中の意味)」が「ブロック」に変わりました。

5.問い合わせた


 そこで私はカスタマーセンターに問い合わせました。
 著作権は私にあること、フランス書院には法的な手続きを取って出版権を消滅させたことを説明し、理由を教えてほしいとお願いしました。
 すぐさまメールが返ってきました。

(引用はじめ)
お客様の出版した本に、Amazon のコンテンツ ガイドラインに違反するコンテンツが含まれていることが判明したため、Amazon での販売を差し止めさせていただきます。
ガイドラインに定めているとおり、コンテンツ (表紙画像や本のコンテンツを含む) の掲載可否は Amazon の判断により決定させていただきます。(引用終わり)

6.ガイドライン違反って何?


 アマゾンはガイドラインを公開しています。コンテンツ ガイドライン (amazon.co.jp)

私の小説はこのうち、

読者の読書体験を損なう本

Amazon で販売される本は、読者に快適な読書体験を提供するものでなければなりません。Amazon では、読者の誤解を招く記述、または本の内容を正確に表していない記述は認められません。また、読者の満足を得られないコンテンツも認められません。例については、『Kindle コンテンツの品質ガイド』をご覧ください。Amazon は、読者に快適な読書体験を提供するために、いつでも本のカテゴリーを変更できる権利を留保します。

に該当したのではないかと考えました。元はフランス書院から発売されたポルノ小説だからです。
 https://amzn.to/3Of4a6d

(アマゾンアソシエイトに参加しています)
(公家のお姫様が主人公なのに、表紙のヒロインは武家のお姫様になっているし、お姫様ブサイクだし、ポルノ小説としてはあんまりそそられない表紙ですね。イラストレーターの先生は小説を読まずに書いていらっしゃるのでしょうけど、せめて公家のお姫様にしてほしかったなぁ)

7.再度投稿したら配信された。

 そこで私は、表紙を変え、アオリ文句やタイトルを変えて再度投稿しました。

>コンテンツ ガイドラインに沿った内容の本を再出版するには、別の新しい本として提出し、Amazon の通常の審査を受けていただく必要があります。
再出版される本はまったく別の商品と見なされる

とメールにあったからです。
 あっさりと審査が通り配信されました!

「逆賊姫様・おしおき調教」というタイトルです。興味のある人は検索してくださいね。

 ほっとしました。ところが翌日、アカウント停止されたのです。

8.アカウント停止!

 えええー。なぜーっ!?
 アカウント停止されると、印税十数万円ほどが没収され、二度とアマゾンが利用できなくなります。
 アマゾンのポイントも使えなくなります。
 真っ青になりました。

メールが来ていました。
(引用はじめ)
アカウントを復元するには、以下の手順に従ってください。 1.このメールに以下の誓約文をご返信ください。 「コンテンツ ガイドライン (https://kdp.amazon.co.jp/help/topic/G200672390) を読み、このガイドラインに従 います。このガイドラインに沿っていない出版済みの本は出版を停止します。」 2.アカウントを復元した後、カタログを見直し、コンテンツ ガイドラインに準拠して いない本があれば、出版を停止します。 なお、恐れ入りますがご返信をいただくまで、お客様のアカウントは停止したままにな ります。 Amazon のコンテンツ ガイドラインの違反がさらに見つかった場合は、KDP アカウント の停止または閉鎖といった措置をとらせていただくことがあります。
(引用終わり)

9.アカウント復元!


誓約文を送れってことは、復活の呪文を送れってことなんだな。
私は

「コンテンツ ガイドライン (https://kdp.amazon.co.jp/help/topic/G200672390) を読み、このガイドラインに従 います。このガイドラインに沿っていない出版済みの本は出版を停止します。」 2.アカウントを復元した後、カタログを見直し、コンテンツ ガイドラインに準拠して いない本があれば、出版を停止します。

の文章をコピ-&ペーストして返信しました。
一日ほどで復元されました。
復元したあと、やばそうなやつは削除しました。

10.何が悪かった?

 思い当たる理由は三つ。

1.アカウント二重だといわれた。


 実は私はKDPを申請するとき揉めたのです。わかつきひかるのユーザーアカウントは他に存在している、あなたはわかつきひかる本人ではないと言われて、アカウントを作ることができませんでした。
 私がわかつきひかるであることを証明するため、税務申告用紙や出版契約書を提出したのですが、却下されました。
 私はいくつもの出版社や電子書籍販売業者からキンドルで販売して貰っています。そのうちの電子書籍販売業者がわかつきひかるのアカウントを作っていたのです。
 アマゾンからすると、わかつきひかるは数年前からアカウントを作っているのに、まったくの別人がわかつきひかるだと言っていることになります。
 そこで電子書籍販売業者に交渉して、私のアカウントを削除して頂き、ようやくKDPが利用できたという経緯があります。

 アマゾンはおそらく機械的に審査しています。申請するときに揉めたので、マイナスポイントなのかもしれません。

2.カスタマーセンターから問い合わせをしてしまった。


 また、カスタマーセンターからメールを送り、アマゾンからのメールに返信の形で送らなかったのも悪かったと思います。
「ブロックしたあとメールの返信がないと〇時間でアカウント停止」と機械的にやっているのだと思います。

3.官能小説だから。


 官能小説はコンテンツガイドライン違反にひっかかりやすいのだと思います。

11.これから先どうするか?


 リスク分散をはかるしかありません。別の電子書籍販売サイトへの一部引っ越しを考えています。
 アマゾンでいっぱい本を買っているので、アマゾンが使えなくなるのは困ります。

12.実はファンティアでも凍結されていた。


 ファンティアというのはファンクラブです。わかつき本舗 (わかつきひかる)|ファンティア[Fantia]
 凍結された理由は、サムネイルに使ったイラストがAIだったからです(無料のフリー素材を使いました。AIなんて知らなかったんです)。
 また、バレンタインチョコを会員のみなさんに贈ろうとして(0円商品)、食品はだめだと削除お叱りを受けました。こんなご時世ですから仕方ないですね。
 ファンティアで好きな小説を書いてKDPしよう。過去作でこんなに儲かるなら、新作ならもっと儲かるよね、売れなくなった作家でも、生きていくことができそうだわー、とるんるんだったのですが、SNSの怖さを実感して、この先どうするか考え中です。なんかもう、いろいろしんどいです。

13.さらにnoteでも公開停止された。


 この記事、一度公開停止されてます。
 KDPでブロックされた表紙を載せたせいらしい……。SNS怖いです。
 疲れた……。


 

 



 

 

 





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