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地元のオタクと繋がれた

 今から大体15年以上前の話になるんですけど、うちの地元でもそこそこに大きな本屋のすみっこに漫画について語り合う掲示板がありました。
 なんかうすーくて、文庫本よりちょっと大きいくらいの紙が置いてあって、そこにおすすめの漫画についてとか、ハマってるアニメについてとか、この漫画置いて欲しいとか、見たいアニメが放送されない地方の叫びとかを書いてから店にあるポストに入れておくと、店員さんが一言コメントを添えて掲示板に貼り出してくれたんです。
 他の本屋にもそういうノートみたいなのがあった気がするけどもあそこの掲示板が1番勢いがあったと思います。いろんな年代のいろんな人がいろんなオタク話に花を咲かせていて、本当に楽しかったのを覚えてます。覚えてますって言うかなんならドップリハマっちゃってました。
 だってさ〜嬉しいんだもん。いろんな人に私のオタク話見てもらえるし(読まれるとは言ってない)お店の人からコメントも貰えるし、なにより文章だけじゃなくて美麗なアナログイラストがわんさかあったんだもん。インターネットを制限されていた子供だった私が許されていたのは一部のサイト(pixivが出てきて多少の落ち込みはあったけどまだまだ個人サイトは元気だった)の観覧のみでサイト運営もメッセージを書き込むことも許されなくて、そんな中あの掲示板は唯一と言っても良い、匿名の誰かと触れ合える場所でした。

 大体はその時流行っている人気のジャンルについてが大半なんですけど、たまにマイナーな作品について熱く語っていく人がいて、それを読んだ別の誰かがまたその作品について話していく。2週間くらいすると書き込まれた紙は回収されてまた別の紙が貼り付けられて……そういうのをずっと繰り返してましたし、これからも未来永劫そうだと信じてました。

 結局その本屋は本屋が入ってるビルごと潰れてしまって、おしゃれな雑貨や服を扱う商業ビルに生まれ変わってしまって、私はXだかTwitterだかを初めてpixivにも登録しました。それももちろん楽しいけれど、あの時あの掲示板の前にいる時間は本当に幸せだったよなあと今でも思い出します。

 あれ復活しないかなあ。

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