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シャチのランのお話

鴨川シーワールド。私が何度も通っている、大好きな水族館です。

現在、ここでは4頭のシャチ、三姉妹の「ラビー」「ララ」「ラン」、そしてラビーの娘「ルーナ」が暮らしています。今回は、このうち「ラン」についての話です。

ランは、アイパッチが「吹き出し」のような形をしています。ラビー、ララに比べると、少し体は小さめです。2006年鴨川シーワールド生まれで、今年の2月に14歳になりました。

現在もパフォーマンスで活躍中のランですが、実は少し変わった経験をしています。それは、「一度、名古屋港水族館に引っ越し、その後鴨川シーワールドに帰ってくる」というもの。 私の好きなプロ野球で例えると、「球団AからFA宣言をして球団Bへ移籍、そしてFA権再取得したあと、球団BでFA宣言をして球団Aに帰ってくる」といったところでしょうか(笑)。 

そしてそれは、出会いと別れを一番多く経験している、とも言えます。 2011年には、いったんラビーやララと別れることになりました。そして2015年、今度はお母さんのステラ、名古屋港水族館で生まれたリンとの別れも経験することになります。 そして鴨川シーワールドに戻ってみると、オスカーがいなくなり、ラビーの娘ルーナが産まれていました。姉妹との再会、そして新しい出会いでした。

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鴨川に帰ってきてからは、ラビーたちに警戒されたのか、痛々しい傷を見ることもありました。パフォーマンス中、サブプールで訓練をしているところも何度も見ています。それでもランは様々な種目をこなすことができるようになり、ルーピングキックやトレーナーさんとの水中パフォーマンスを披露することも多くなりました。 特に、ルーピングキックが決まって、お客さんからたくさんの拍手を貰ったときのランは、本当に嬉しそうで、こちらも涙が出そうになります。

これからも、ランの活躍を見守っていきたいと思います。


さて、後半もランついてです。

まず、下の写真。右側の青い席のところにに赤いコーンが置かれていますね。

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実はこの日、神戸市会議員の方が、須磨海浜水族園のシャチ飼育の計画もあって、鴨川シーワールドを視察しに来ていました。議員の皆さんがパフォーマンスをご覧になる場所を確保するため、トレーナーさんがずっと座っていらっしゃいました。 そこでトレーナーさんに、ランについて少しだけお話を伺いました。

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このトレーナーさんは、主にパフォーマンスではランとペアを組んでいらっしゃる方なんですが(2020年11月現在では主にララとペアを組まれています。)、「シャチトレーナーは、4頭全員とペアを組むことができるようにはなっています。その中で、相性がいいシャチとトレーナーがパフォーマンスでもペアを組んでいます。私自身は、ラン以外にもララとのペアでパフォーマンスを行うこともあります。」とのこと。

また、ランとララ、ペアによって何か違いはありますか、と訊くと…「ランにもララにもそれぞれ性格があって、本当に時間をかけて信頼関係を築くことが大切だと思います。あとは…ララと組んでいるときは、スカイロケットをやることもあります。」ということでした。ちなみにララは、体長が5メートルを超え、実はお姉さんのラビーよりも大きい個体です。

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ランは鴨川シーワールドに帰ってきてから様々な水中トレーニングも訓練しています。しかしその訓練の中でも、「ずーっと長い時間トレーニングをしていると、シャチたちも集中力が切れてしまうので、そこを考えながらやっています」ということでした。この日の夕方のトレーニングも見ましたが、その真剣な表情から、パフォーマンスを作り上げていくたいへんな努力を感じました。シャチもトレーナーさんも、ものすごく集中している時間です。

そして... 。「ランに餌をあげるときに、魚を指にはめたりしているところを見たことがあるんですが…」と訊いてみました。するとトレーナーさんはにっこり笑って、「それ私ですね~(笑)!」と答えてくださいました。

「私はもちろん楽しんでやっていますが、ランが楽しんでくれているかということが一番重要です。」とのこと。 福岡ECOの動画の中で、別のトレーナーさんも同じようなことをおっしゃっていました。やはり、それぐらい重要なことなんだなと、深く感じました。


というわけで、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。 

それではまた、お逢いいたしましょう。さようなら。





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